まっと

めしのまっとのレビュー・感想・評価

めし(1951年製作の映画)
3.6
原節子が小津映画よりのびのび演じている気がする。疲れた主婦役だけど。

原作者林芙美子の急死で未完のまま映画化。
それも死後数ヶ月のうちに封切というスピード制作。林芙美子ものの人気のほどを伺わせる。

未完なので、結末は映画オリジナル。
原作ファンは離婚を予想していたらしく、賛否両論あったようだ。女性の幸せという大テーマは別として、ふつうに考えて、この夫婦はさっさと別れたほうが幸せに思うが、時代的にそう簡単ではなかったのだろう。

映画の監修は川端康成。
有名な話だが、川端は林芙美子の葬儀で酷い弔辞を述べている。曰く、故人は良くない事もいろいろしてきたが、亡くなったことでそういう罪悪も消えると。確かに毀誉褒貶ある林芙美子だが、こんな弔辞を述べる川端康成も凄いし、因縁ある林芙美子の映画の監修を引き受けるというのも凄い。しかし監修って具体的に何したんだろうか?よくわからない。

時折出てくる仔猫がかわいい。
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