フライヤー

めしのフライヤーのネタバレレビュー・内容・結末

めし(1951年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

白黒だけど、洋服が主流になりつつある時代。
台所やちゃぶ台の横に米櫃がある様子なんか、古き良き風情があって、映像としてみていて楽しかった。

女中のように扱われる主人公。突然やってきた親戚にデレデレする夫。仕事は非常に真面目だが、妻がいることが当たり前だと思っている。自分には「めし」という食事を支度することしか言ってこない。
同じ毎日にも嫌気がさしている、そして古い日本のステレオタイプの夫の対応。だけど、それに苦悩する主人公は現代にも通づるものがあると思った。
主人公が実家に帰って寝ていると母親が、「疲れているのよ。主人がいると気遣いだけでもね」と、言ってくれた。家族だから、女だからわかるんだろうなぁと思った。

親戚のさとこは、痴人の愛のナオミズムをかんじる。

今と変わらぬ東京国立博物館が出てきて、テンションが上がった。

また、大阪に1人残された夫には次々女がやってきて、ラッキースケベなような展開ばかりで笑った。断れない男性はこうなりやすいのかもしれない。

親族の男しんぞうが、さとこを客人扱いしないところが、真の男だった。
「感情をべたつかせて、人に迷惑をかける人」と言ったり、働くもの食うべからずの対応をしてくれた。

最後の2人が再開した時もなんだか飄々として、出張できたとか言うし、拍子抜けな感じがするけど、
喧嘩して仲直りするときって結構こういう感じなんだよな。
2人の感じが日本ぽくて奥ゆかしいけど、気持ちが通じてる感じが良くて、最後の最後で感動しちゃった。
手紙を電車から破り捨てるところとか、結局、終わりよければ全てよし。
これが女の幸せなのではないだろうかで締めるのは当時の価値観ぽいけど、それはそれでハッピーエンドな終わり方だった。