倦怠期を迎え些細なことで諍いを繰り返し溝を深める夫婦の姿を描いた作品。
昔の頃の作品を観ていると、当たり前のように妻は夫の召使いみたいな扱われ方をしていてずっと疑問に思っていたけれど、既にこんな時代にそれを題材にしていた作品があったことに驚いた。
ご飯の支度や家事諸々、夫に尽くし単調な毎日を送る、そんな主婦の姿を原節子さんが見事に演じていてふつふつとした不満がとても伝わってくる。今までこの時代の人たちはこれが普通だったのだろうと勝手に納得していた。何も言わないし態度に出さない、でも心の片隅に感じている人が沢山いたのかなと思ってしまう。