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スイミング・プールのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

スイミング・プール(2003年製作の映画)
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シャーロット・ランプリングの演技を存分に味わう作品だった。
さり気なく演じ出るように見せる演技が素晴らしい。改めて凄い俳優さん。


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シャーロットランプリングの欲求不満とこの世の全方位に不信感を抱いているような表情。
冒頭の電車の中で乗客に話しかけられる場面。
その後の編集部を訪問し、出版社社長ジョンとの短い会話を交わす。
冒頭の数分だけで主人公サラはピークを過ぎ行き詰まった推理小説家であり、ジョンとはかつて男女の仲であった事が説明的にならず示される。
満点の滑り出し。

サラはジョンに勧められるがままに、気晴らしも兼ね、フランスの別荘地へ。

別荘地で会うサラの娘ジュリー。 
ジュリーは若く開放的なフランス人、豊満な身体を太陽に晒しプールで戯れる。
傍らに映るサラは鬱々とした表情で、創作に行き詰まり、苛立ちと欲求不満を抱えるイギリス人。
陰と陽。
ジュリーはサラが作り出した、自分の願望を具現化した人物か。

中盤からは、映画内の事実と、サラが執筆する小説「スイミングプール」と妄想が綯い交ぜになる構成。
説明しすぎず観客の想像に委ねる部分が多い、好みのタイプのミステリー。

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