スイミング・プールの作品情報・感想・評価

「スイミング・プール」に投稿された感想・評価

亘

亘の感想・評価

4.0
【事件はプールサイドで起こる】
ロンドンに住む作家サラはスランプ中。編集長から羽を伸ばすよう勧められ南仏の別荘へ向かい、編集長の娘ジュリーと出会う。自分とは正反対のジュリーに嫉妬するサラだったが次第に彼女はジュリーに惹かれる。

サラは羽目を外したい願望がある真面目な女性。とはいえもう年だし南仏でもゆっくり時間を過ごすつもりでいた。一方のジュリーは若く美人で明るくてセクシー。そしてわがもの顔で別荘を使い男たちを連れ込んではセックスをする。サラにとっては、ジュリーは自分の願望を実現したような人だし平穏な日々を壊すし全く苦々しい。それでもジュリーが失踪したらサラが探し回ったり2人でディナーをしたりジュリーを受け入れ始める変化は印象的。

ただ今作は単なる年を超えた友情の話ではない。ジュリーが現れてから不穏な、何か起こりそうな空気が漂う。サラはジュリーの偵察を始め、自分のパソコンの[ジュリーフォルダ]にメモをする。2人でのディナーではジュリーの暗い過去が明らかになる。さらにはジュリーの方もサラの部屋を漁るし2人の関係は良くなったようなのに不穏な空気は漂い続ける。そしてついにジュリーが連れ込んだ男が失踪する事件が起こる。

男の失踪からの展開は想定外。サラとジュリーは協力して始末をし、さらにサラは思い切って男を誘惑する。いつしか2人の間には強いきずなが生まれていたし、サラにとって仕事ばかりで鬱屈としたロンドンへ帰るのは気が進まなかっただろう。それでも彼女は新作を出して編集長を驚かせたし南仏でのバカンスの効果はあったよう。ただ出版社の去り際・回想シーンで明らかになる真実はそれまでの話を全てひっくり返すような展開で衝撃的。ジュリーは、サラの羽目を外したい願望の権化だった。

印象に残ったシーン:ジュリーがプールで泳ぐシーン。サラがジュリーを偵察するシーン。サラが出版社を去るシーンからのラスト。
これは…わからない。
最後のどんでん返しでわからなくなった。
わからない…ドニーダーコを観た後のようなそんな感じ。

ただ、このわからなさ加減が絶妙で観終わったあとなんだか心地よい余韻が残っている。

音楽とか、赤い花、鏡、十字架とか色んな暗示がありつつ音楽も抑えられてて…雰囲気はとても好きだった。

いつか、もう一度見よう。
★ 水を切り裂く肢体、土に埋められた死体

非日常の象徴であるフランスの別荘。
木々を揺らす風、庭に煌く水面の光。
それは枯葉が泳ぐスイミング・プール。
偏屈な中年作家と自由奔放な若者の同居生活は、緊張感を孕みながら、破滅のときを待つ…。

とても想像力を刺激してくる作品でした。
くっきりとした輪郭。透明ながらも不穏な雰囲気。あらゆる可能性を否定しないから、気兼ねなく妄想の海に浸ることが出来るのです。

思えば、現実と虚構は表裏一体。
自分は自分なのか、物語の中の登場人物なのか。あるいは過去に死滅したはずの“人類の細胞”が作り出した夢なのか…誰にも判別できないのです。

だから、どれが伏線なのか…?
壁に掛かった十字架。ダイエットコーク。
落ちていた下着。手帳に挟まれた写真。
目を凝らせば凝らすほど惑うのですが、行くべき方向は指し示されています。

いやぁ。これは見事な筆致ですよ。
特に“手を伸ばせば解答が掴めそうな感覚”は流石です。不明瞭な物語って僕は好きじゃないのですが、本作に限って言えば話は別。ふんがふんがと考えるのも厭いません。

また、過度なエロティシズムも眼福の限り。
特に《ジュリー》を演じるリュディヴィーヌ・サニエの豊穣なる膨らみは、眠気を封印するには有効な手段だと思います。ともすれば、下品に陥りそうなのに、それを感じさせないのも見事。

ただ、確実に人を選ぶ作品ですね。
ミステリと聞いて鑑賞すると…肩が下がるのは必至。犯人とか動機とか…そういう局所的な要素に拘るのではなく、もっと高い視点で鑑賞することをオススメします。

まあ、そんなわけで。
“モヤモヤする結末系映画”の入門編としてはピッタリ。自宅鑑賞ならば、劇場公開時にモザイクで隠された向こう側も観ることが出来ますからね。はたして、そこに何が隠されているのか…うひひ。お楽しみですね(←下品)。
hiroppopu

hiroppopuの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと難しかった笑
サラの部屋に十字架が掛かっている時が空想でかかっていない時が現実?
制作者がアイディアを出す時、現実と妄想の区別がつかなくなるみたいなこと
インタビューで言ってたらしい。これが答えなのだろう。
もう一回観ようかな!
mtmt

mtmtの感想・評価

3.5
オゾン監督のライト感覚な難解作品。果たしてシャーロット・ランプリング演じるサラの虚像なのか、或いは実体験なのか。いかようにも解釈できる。自分は虚像/願望派。気難しい女性役はイザベル・ユベールかランプリングかってくらいはまりますね。
higatree

higatreeの感想・評価

2.5
フランソワ・オゾン監督が好きな時期があった 中年女性作家 殺人なのか空想なのかわからない
くぼ

くぼの感想・評価

4.0
ど、どどこからどこまでが
本の中の話だったん、だ
もはや全て空想、いや全部現実?
頭ぱっかぱか〜
Canape

Canapeの感想・評価

3.4
記録 夏。真逆。融合。不思議、不思議。まどろんだ夏の夢みたい。
来週、早稲田松竹レイト上映の「焼け石に水」。
どこか惹かれるタイトル、フランソワ・オゾン監督作品は観た事がありません。
予習がてら本作を手に取ってみました。

エロ漫画に出てくるような少女とイケ好かないオバハンの対決。
奔放な欲望を象徴するかのようなスイミングプール。
相容れぬ二人がそれとなく対話を深め新たな世界を知る、てな話かと思ってたら…

思わぬサスペンスフルでクレイジーな展開に狂喜しました(^^;;
エンディングもお見事。

南仏の陽射しと澄んだ空気が感じられる映像も
心地良かった。
退屈はしないのですが、全体的に控え目に感じて、物足りなかった。解釈が観る側に委ねられ過ぎかも…。
>|