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スイミング・プールのkentaのネタバレレビュー・内容・結末

スイミング・プール(2003年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

フランス映画をみよう、第三弾。人々の欲望が錯綜。難しい。一般的にはエロいと言われるだろうが、エロさは感じない映画だった。

サラは明らかにジョンを欲望していた。そして性的に不満足だった。

若く美しいジュリーの裸体を覗き見たり、毎晩男とやるのをみて、サラは何を考えていたのかはわからない。ジュリーになりたかったのか?禁欲的なサラと奔放なジュリーという対比。老いと若さという対比。ジュリーから男を奪いたかった?もしくはジュリーになって男とやりたかったのか。ジュリーとやりたかったのか。どれも間違いではないような気がする。

ある時からジュリーの母親のような役割を果たしているようにも思われる。ジュリーよりも母親に興味をもったのはなぜ?母親を理解して母親になりたかったのかもしれない。最後にはジュリーの母親の本を自分の本として出版。ジュリーの母が果たすことの出来なかった目標を達成。ジョンへの一種の復讐。

最後にベランダからジュリーに向かって手を振るシーンの意味は?動作が全く同じであるのは、ジュリーはサラの虚像だからなのでは。しかし、ジュリーの前は、ジョンの別の落とし子。彼女は、ジュリーの代わりにすぎないのだろう。

もしかしたらサラは、ジョンとヤりたいというよりも、ジョンの子供の母になりたいという欲望があったのかもしれない。ジョンのところにやってきた落とし子を見る目。ジュリーへの態度。

サラはフランクも欲望していた。ジュリーはなぜフランクを家に連れてきて3人で飲んだのか。ジュリーはサラがフランクを欲していたのをわかっていたに違いない。だからこそ、フランクを連れてきて、抑圧されてるサラの心をかき乱した。しかしなぜジュリーはフランクを奪おうとするのか。サラの欲しいものが欲しいのかもしれない。
そうすればお母さんは私のことを欲してくれるみたいなことなのだろうか。

プールサイドで横たわるジュリーを立って見下ろしているフランクはサラの妄想か?

ジュリーのとってサラはお母さん。離れてしまうことが恐ろしい。

なぜジュリーはフランクを殺したのか。おそらく自分を拒んだというだけではない。これはすごく難しい。不可解。

サラの物語と現場が入り混じってる可能性は大いにある。

人の欲望は複雑で簡単にはわからんものだなあ。
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