おらが春

七つまでは神のうちのおらが春のネタバレレビュー・内容・結末

七つまでは神のうち(2011年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

日本胸糞話。

最後30秒くらいで一気に好きになった。
印象としては「世にも奇妙な物語」の一遍を尺伸ばして映画にした感じ。

観てる間の評価の上下が激しかった。
まとめると
「多分心霊系だな」
「えぇ全部人がやってたの...うそぉ...」
「あああめっちゃ心霊系だ!!!」
こんな感じだった。
途中途中の怖いシーンはあるんだけど、最後が一番パンチ効いてた。あの超短時間で伏線回収&納得させられたの初めて....

またびっくりシーン、タイミングは大体読めて心の準備をしたはずなのにがっちり声出してびっくりした。なんか悔しい。

最後に高速伏線回収とびっくりシーンがちゃんと怖い、あと雰囲気も良い意味で「世にも」っぽかった印象だった。


ストーリー、やべえ霊がきて7歳以下の子をどうにかしちゃう不条理系かと思ったらめちゃくちゃ胸糞でびっくりした。
本人は殺したつもりないし、実際に手にかけたわけじゃないけど、まぁ主人公が悪いですよね。
教会に通ってたりリスカの跡が残ってたりで苦しんではいたんだろうけど、そんなん両親からしたら「は?だから何??」って感じよな。
死んだ子の両親は日本の神道を崇拝してたのに対して、主人公がキリスト教に救いを求めてるところも噛み合ってなくて好き。もちろんここが一致したからどうってことは無いけど、このチグハグ感がなんか良かった。
最後も主人公が箱の中で、女の子がまだ息のあった時に息絶えだえで漏らした言葉と同じようなセリフを叫び散らすのがなんか皮肉っぽくて良い。生き埋めは嫌ですね。


細かいシーンも結構好き。
最初のレンタルビデオ屋、たまたま最近観たホラー映画が置かれてたり「白石晃士」の名前があったりしてちょっとテンション上がった。

あとメガネの子と男の子のシーン。
確かにあの年齢であの距離感の親戚のお姉ちゃんは好きになっちゃうよね。彼氏いないことがわかって喜んでたりとか、良いシーンだなと思う。
ただしメガネの子の思わせぶりな態度はどうかと思いますけどね...相手子供だし...


逆にめっちゃ気になるシーンもあった。
序盤の車で追うシーン、めっちゃ不自然な流れよなっていう。「警察に連絡してからじゃ遅い」はよく分からんし、あんだけしっかり追跡しといてナンバー控えてないもよく分からないし...っていう。
怪談でよくある「その時はそうすべきだと思った」という状態だったのかもと思えばギリギリ納得できるかな...くらい。

あと女の子がいなくなっちゃった日のシーン。
・遊びに行く女の子を妙に心配する母
・夜になっても娘が帰ってこないのに平気そうな父
・何故か玄関口で落ちてるお守り
ここら辺が後から考えても「???」って感じだった。特に3つ目、これが事実だとしたら主人公組はマジでクソ外道だと思うけど状況的には無理そうだしな...と思う。
好意的に捉えるなら、神道を強く信仰する母の影響なんだろうか、って感じ。
娘が出かける前にいなくなることを夢で察知している(おそらく冒頭の赤ちゃんのシーンが見ていた夢)あたり、不思議パワーを持っていそうな感じはある。それがお守りを家まで引き寄せたり、幽霊になったきっかけだったりしたとすると...まぁギリギリ納得できなくもない。


全体的には結構好きな感じのホラーだった。キャッチコピーの「絶望の、その先」は、主人公の最期と女の子の両親にかかっている言葉なのかなと思うとゾッとする。
ただ粗いところもあるし、タイトルが的を得ているかと言うと微妙。一番気になるのはそこかもしれない。
人を選ぶ感じの映画かもしれないけど、勧めてみたくはなった。
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