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ヒックとドラゴンのqpのレビュー・感想・評価

ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)
4.0
 ヒックは町を襲ってくるドラゴンを退治する大人たちに憧れていますが、全然腕が足りません。たまたまドラゴンを捕まえますが、助けたことで仲良くなっていき、という話です。

 最初からドラゴンが街に襲ってくるのをヒックがナレーションで説明してくれます。だから、世界観がすぐにわかるのですが、どう考えても人間が生き残れる世界ではないなと思います。

 ヒックはせっかく捕まえたドラゴンを殺せません。でも、ドラゴンも助けられたと分かっているからか攻撃してきませんでした。最初のナレーションでドラゴンは人を襲うと思っていたので、ここから引き込まれていきます。

 ドラゴン倒しの訓練が面白いです。育成方法に無茶があると思いましたが、プロの大人が介入すれば収まるレベルというのはとても良い育成方法です。あと、ヒックに比べて他の子供の能力が高いのかと思いましたが、完全に口先だけなのが面白いです。子供の中で目立っている美人のアスティは唯一ヒックに共感してくれるかと思ったら、かなり勝ち気で笑えます。

 ドラゴンと人間が対立し合っている中で、ヒックとトゥースは希望になります。Night Furyはいい人と悪い人の見分けがつくくらい賢いのか、ペットになりうるのか、他のドラゴンを倒すようになってくれるのかといろいろ想像を膨らませてもらえます。

 でも、ヒックがトゥースとの経験からドラゴンの特徴を学び、訓練で成功して英雄になるのは面白いです。種類や特徴は違っても同じドラゴンなのかと思います。さらに、人間と対立しているドラゴンに乗って空を飛ぶ練習は観ていて面白いし、安心感があります。トゥースがどう見つかるかいろいろ想像していたので、ヒックを助けに来るシーンが予想外で面白かったです。

 ただ、ドラゴンが人を襲う理由が分かってからは面白味が薄れていきます。他の子供たちの特長を生かすのは良いのですが、すぐにドラゴンとなじめるのは興ざめです。ヒックとトゥースが紡いできたことが台無しです。親子の和解も興醒めです。

 世界をよくするのは強い人ではなく、優しい人です。対立より共存を選べたらよいなと思いました。子供向けのアニメですが、良いメッセージを受け止められて良かったです。

 なぜトゥースという名前かわからなかったが、英語だとToothlessなんですね。長いからはしょったら、名前の意味がなくなってしまいます。訳し方に久しぶりに残念な気持ちになりました。
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