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ときめきに死すのdxdxdのレビュー・感想・評価

ときめきに死す(1984年製作の映画)
4.3
監督・森田芳光と沢田研二のタッグの日本映画史に残る怪作。

謎の組織の指示を受け、海辺の町を訪れた工藤、彼の世話役として雇われた大倉、組織から派遣された若い女・梢。男女3人の不思議な共同生活を描いた映画。
ドキッ♡男女3人のドキドキの共同生活!…要素だけ取り出せばラブコメみたいだけど、とにかく不穏で気持ち悪い。話の筋としてはジュリー演じる謎の青年は宗教団体の教祖を暗殺が次第に分かって、それが見事に失敗する。

映画に出てくるジュリーって基本的に長髪、クール、ニヒルでかっこいいイメージがあるけど、今回はかなり異質。髪型も短髪で、内向的でコミュニケーション不全で極めてオタク的。
「オレ、暗殺のプロっすから」みたいな顔しているけど、身体もなよってしている
(筋トレして相当身体を作り込んでいたらしいけどあえて筋肉を落とせと監督から言われたらしい。)
全能感に浸ったイキリオタクが暗殺を失敗して、結局は大人たちの捨て駒に過ぎなかったんだ気づき、手首を噛み切るシーンが本当に痛々しい。

大人のシステムに愕然とする、陰キャ負け顔ジュリーを堪能できる傑作絶望シネマ。
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