ニカイドウ

サイコ2のニカイドウのレビュー・感想・評価

サイコ2(1983年製作の映画)
3.5
前作『サイコ』が古典的でありながら、前半がマリオン・クレインの4万ドル横領逃亡劇というサスペンスと、後半はそのマリオン殺害の犯人を追うミステリー仕立てとなっていて、古典的なものでも融合させれは新しいものを生み出せるという、昨今のジャンルボーダレス映画の先駆け的な斬新さを感じた訳ですが、さて『サイコ2』はどうでしょう?
まず、『サイコ』の有名な例のシーンから始まります。
白黒始まりやったから、2も白黒かと焦りましたが、カラーになりました。笑
今回は『サイコ』の犯人ノーマン・ベイツが20年後、精神病院から出て来る所から始まります。
ノーマンは社会復帰の為に食堂で働く事になり、彼氏に家を追い出された若いウェイトレスのメアリーを家に泊める事になります。
もちろん『サイコ』でお馴染みの家とベイツ・モーテルです。
ノーマンはまだモーテルのオーナーのようで、彼が精神病院に入っていた間は、人を雇って営業を続けていたようでした。今はトゥーミーという男がモーテルを管理してるみたいです。
しかし、彼がモーテルをクスリを売るような場所にしている事を知り、ノーマンはトゥーミーを解雇します。
その後、メアリーにサンドイッチを振る舞うノーマン。ナイフを触ろうとしなかったりと、自分の過去と葛藤する姿も見せます。
振る舞いも優しく見え、改心したような雰囲気のノーマン・ベイツ。病気やったなら、治ったと言ったほうが正しいんかな?
ただ、オッサンが若いウェイトレスを家に泊まらせるのは正直気持ち悪いなぁ。けど、それも20年外界から遮断されてて、精神が発達し切れてない可能性もあるしなぁ。
果たして、ノーマンの中のサイコ因子は今回も爆発してしまうのか?それとも…
といった内容で、前作と比べるとノーマン・ベイツを主人公としたヒューマンドラマ的な部分が増えていました。
前作は視聴者の驚く仕掛け重視な感じでしたが、今作は制作側のノーマン・ベイツ愛が溢れ出ているように感じました。
精神の病気で殺人を犯してしまったノーマンが社会に馴染めるのか?彼の本来の人間性はこうなんですよ。といったノーマン情報が盛り沢山で、前作ではわからなかった部分が深掘りされていて面白かったです。
もちろん、殺人犯が野に放たれる事の不安や恐怖も描いていて、裁判で社会復帰を阻止しようとするマリオンの妹ライラの姿も印象的でした。
俺的には前作よりこっちの方が好みです。
が、両方観るとより深く両作品を知る事が出来るような気もします。より深くノーマン・ベイツを知る事が出来ます。
少しダークサイド寄りな名探偵コナンといった感じで、後出し設定もりもりな部分も楽しめました。
アマプラに『サイコ3』もあるようですが、これ以上ノーマン・ベイツを深める必要もない気がするので、逆にどんなストーリーなのか気になります。続けて観てみたいと思います。
『サイコ4』はアマプラには無さそうなので、素敵な巡り合わせがあれば…
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