ヴぇる

ダンス・ウィズ・ウルブズのヴぇるのレビュー・感想・評価

ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年製作の映画)
4.0
全てが美しい映画であり、これ程の自然や動物達との共存は素晴らしいとしか言いようがなく、91年の作品賞含め7部門に加えゴールデングローブの賞レースも主役だったのは当然だったと言える。
さらにこの時代背景には白人は善、インディアンは悪という物語は腐るほどあったが、今作の様な形の物はほぼ無かった。故に今作が評価されている一つの要因とも言える。

何よりも特筆すべきなのは、バッファローの大群のシーンに加えて馬や狼の動かし方や写し方には全く不自然さがなくリアルで豊かな表現だったことだろう。
さらに自然の魅力を最大限まで引き出し、接写から広角的な写し方まで状況に従って映し出しているのはさすがの一言で、壮大さが飽きること無く楽しみながら視聴出来る。

さらに別の視点では、3時間以上かかる映画には語りやナレーションを入れてくれる映画は良い映画だと私は思う。
いくら集中力を働かせても筋が分からなくなる事はままある事だ。今作は日記という手法から状況を細かに説明してくれている。少し口説いと思わせることもあるが、長丁場な映画では必要な演出だろう。

ストーリー自体は先住民と仲良くなるために現代の知己を使うという手法は現代では「なろう系」でありふれているが、この時代には物語を盛り上げる1つの要素としては欠かせないし純粋で良いと思う。
また、こういう作品ではよくあるのが軍隊である事故の誤解やミスリードを誘い時間を稼ぐ映画があるが今作ではそのような愚行は行わなかったのが非常に良かった。

総評としては、最高の超大作映画だ。
雰囲気も自然も動物も人間の残酷ささえも内面を含め写しきることに成功している。
ただ、我々日本人には全く考えの及ばない批判もされたのも確かでインディアン側からの視点も検索すればいくつが出てくるのでそちらもオススメする。
映画としては私は好きだ。
ヴぇる

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