とんでもないもの見てしまった。
こんなに原始的でエネルギッシュな画面は見たことがない、久しぶりに感動した。
ただひたすらに凄まじい音と飛び散る石の破片、徐々に広がっていく穴。
穴が中心にあって人間が見切れていく構図を作っているのも効果的。
ブレッソンの『抵抗』はストイックに削ぎ落とされたドラマだったけれど、こちらは紛れもなくアクション映画。
長回しもバチバチにキマってて最高。
序盤差し入れを検査するシーンの手元。
真っ暗な長い通路を通過していくシーン、人間が四角い灯りに変わって、やがて黒に落ちるところ、カッコ良すぎ。
最後はサスペンス的に惹きつけられる部分もあって話としても楽しめた。
キャラクターも全員立ってて魅力的、特にラスト脱獄前のロランの正装には痺れた。
と思ったら、ロランだけ本人役、本物の脱獄囚だったと聞いて納得、そして脱帽。