あしからず

穴のあしからずのレビュー・感想・評価

(1960年製作の映画)
4.0
かのルパンも投獄されていたサンテ刑務所からお送りする脱獄サスペンス。
人間心理のおもしろさと怖さ。
元々制作工程の動画とかメイキングとか見るの大好きなのでベッド部品の細工や手作り潜望鏡や地道な穴掘りなど細やかな脱獄過程とその工夫に夢中になった。

刑務所といえば汗・血・泥の3点セットだと思ってたけれどさすがフランス映画なのかさすがジャック・ベッケルなのか、コーヒーにお砂糖いれて差し入れは平等に分け合って、みんな必要以上に取り乱さず余裕がある。だってピンチの時とか映画の中の人よりぜったい私のがはるかに慌ててたもの。
地下の坑道も勝手知ったるでさすがは実在の脱獄経験者ジャン・ケロディとでも言うべきなのか。

とは言ってもスタイリッシュなモノクロの映像はやはり緊張感があり、ラストまで気が抜けない。
自分が最後の彼のような状況になったらどうしただろうか。同じことするのかなあ

サンテ刑務所のこと調べてたら先日みた映画の大杉栄も入ってた事があるみたいでシンクロニシティ
あしからず

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