【旅するギター】
イラン映画なのにロックバンドをやる兄ちゃん達の青春群像劇。珍しいモノを見せてもらった。イラン政府の弾圧から逃れて抵抗を試みる若者たちの熱い戦いをドキュメンタル・タッチで綴っている。
手持ちカメラブレブレのゲリラ撮影が効果的。監督は『酔っぱらった馬の時間』などで有名なバフマン・ゴバディ監督。全編リリシズムがあり、熱情に溢れた若者たちを描いた青春映画の佳品になっている。
やはりこの監督は政治的な雰囲気が色濃く、決してポップな感じはしないのだが幾分エンタメ要素もあって救われる。イランってやっぱり怖い国なんだなぁ…と思いつつもその地で生きる若者たちを応援したくなるカッコいい生き様を淡々と綴った作品である。
やっぱり青春はROCK🎸だよ!といったケン・ローチなどの労働者階級の若者を描いた作品が好きな方には是非オススメの隠れた秀作。