ペルシャ猫を誰も知らないの作品情報・感想・評価

「ペルシャ猫を誰も知らない」に投稿された感想・評価

よ

よの感想・評価

3.5
『サイの季節』の洗練された詩的映像美との違いにまず驚いた。裏を返せば、検閲や規制の厳しいイラン国内でゲリラ撮影されたこの作品には、もっと荒々しく生々しい魅力がある。

また、イラン国内で音楽活動をすること、映画を撮ることがどういうことなのかがよく分かる。多彩な音楽は本作の一番の魅力となっていて、テヘランのポップミュージック・シーン(というより人々?)の地力を感じる。
ポップな音楽が規制されているイラン。そこで自由な音楽を目指して行動する若者たちの姿を描いたドラマ。

音源の販売もライブ活動もろくに行えないイランで、多くのミュージシャンたちが隠れるようにして練習やレコーディングを続けている実情。それが全編に渡って描かれていて、今の自由に音楽が聴けて演奏も出来る日本の環境に有り難みが感じられました。

そんなイランでの活動に限界を感じて、イギリスでの活動を夢見る主人公のネガルとボーイフレンドのアシュカン。この2人を中心に物語は展開されます。

ロックにメタル、フォークやヒップホップと欧米と変わらない音楽を奏でるイランのミュージシャンたち。クオリティが高い曲も多くあり、それがイランでは表に出るのは難しい現実に勿体なさを感じましたね。

イランのミュージシャンたちの日常をそのまま切り取ったドキュメンタリー方式の作風。なのでそこまで娯楽性は無く単調な感じです。

それでも本作が持つメッセージは深いもの。控え目ながらも音楽の自由を奪っている国へ訴えかけているようなエネルギーが受け取れた気がしました。

このレビューはネタバレを含みます

2020

あたまっからなんとなく漂う、
なんというか、、ぬるっとした、陽とも陰とも言いがたい気だるい空気に違和感を感じた。
演奏シーンについても、ぬるっとはじまる。演奏中は多少高揚感があっても、終わればまたぬるっと話が次にすすむ。
これがなんともムズムズする。

この変な感覚によって、凄まじい置いてけぼり感だった。
(意外なことに中盤からそれが徐々にクセになってくるんだけど)

リアリティを重視した為か(無許可ゲリラ撮影によりドキュメンタリー色強め)
人物描写が少なく、物語だけひとり歩きしているのが置いてけぼり感の要因の一つか。

とにもかくにも奇妙な感覚が最後までまとわりついて、人物にも物語にもあまり集中できなかった。
ルネ

ルネの感想・評価

4.0
「酔っぱらった馬の時間」「亀も空を飛ぶ」などで国際的に高い評価を受けたイランのバフマン・ゴバディ監督が、テヘランのアンダーグラウンド・ミュージック界を題材に、17日間に渡る無許可ゲリラ撮影を敢行して撮りあげた青春群像劇。

西洋的な文化が厳しく規制されているイランで、当局の目をかいくぐってバンド活動に熱中する若者たちの姿をリアルに描く。第62回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で特別賞を受賞した。

主人公のカップルはバンドやってると捕まって楽器を没収されるようなイランを出て、海外へ行くことを夢見ている。途中色々なバンドの演奏シーンを挟みつつ、夢を叶えるべく偽造パスポートを発注したりする。

カップルの彼女がかなりネガティブな女子で、終始後ろ向きな発言を繰り返す最も一緒にいたくないタイプ。現状に少しでも感謝する気持ちを持ってほしい。

ほとんどPVみたいでストーリーもざっくりだけど、音楽を愛する気持ちが感じられる作品でした。
”ここでは自由な音楽ができない”

映画もダメなんだったら音楽もまた然り。

冷静に考えればわかりそうなことだったのに全然気づいてなかった💦
自由な映画を作るのが困難な国イラン。
肩身の狭い思いをしているのは映画関係者だけでなく、音楽家たちも同様。

もはや調べるのがめんどくさいレベルなので、細かいところは置いといて…
とりあえず、ちょっとしたことで逮捕される。無許可で演奏したらアウトとか。
逮捕と保釈を繰り返しながら活動を続けているミュージシャンも多いんだとか😵

今作は、恋人同士のミュージシャンの二人が主人公。
演奏許可が下りないイランのテヘランを離れ、ロンドンで歌うことを夢見る。
なんとしてもロンドンに行きたい二人は欠けてしまったバンドメンバーを集めつつ、違法にパスポートやビザを入手しようする。
その奮闘する姿が終始描かれる作品。

・出演者のミュージシャンのほとんどは本物
・主演の二人の実話に基づく
・撮影後の数時間後に主演の二人はイランから離れる
・無許可での撮影を敢行した監督も本作を最後にイランをあとにする
(※公式サイトより)

今はどうなってるのか知らないけど、ホントにぶっ飛んだ国イラン。
こちらでは普通に見かける音楽映画も、ここまでしないと作れない。
今作で登場するミュージシャンが、まるで脱獄した囚人ぐらいにコソコソしながら活動しているのにはびっくり。

ただ、そんな中でも監督とミュージシャンたちがほぼ命懸けで撮影した音楽シーンは迫力があり見応え抜群。
こっちが知らないだけで、イランにもロックだけでなく、ヘヴィメタやラップなども普通に存在していて、そのクウォリティーもめちゃくちゃ高い。
イラン映画では初めてお目にかかるアンダーグラウンド音楽のオンパレードに不思議な気持ちになった。

一方で、音楽ではテンションが上がるけど、作品内容はなかなかにシビア。
そこで終わるのかという読めないオチもあり、どこまでが実話に基づいているのか分からないけど、イランの知らなかった側面がまた垣間見えた気がした。

タイトルのペルシャ猫が意味しているのは、かつて「ペルシャ」と呼ばれたイランのことと、イラン当局の目を逃れながら密かに音楽活動を続ける若者たちのことを掛けているらしい。
(※公式サイトより)

バフマン・ゴバディ監督…演者として出演している作品を観た時は小柄で優しそうなおっちゃんというイメージだったのに、こんな力強い作品を作るとは思わなかった。
前から欲しいけど高いから躊躇っていたゴバディ監督の他作品をもう買おうかなぁ…。

そして、今作を観てふと思ったかのが、イランって優秀な人材が国外に大量に流出してるんじゃないの?ということ。実際どうなんだろ…。
音楽好きは見た方がいい音楽映画。
政府により言論や文化が厳しい規制下にあるイランにおいて、陰ながらインディーロックやメタルなどの西洋音楽の演奏活動を続ける若者たちをドキュメンタリータッチで描いたドラマ作品。政府に無許可のゲリラ撮影を決行したそう。

何より音楽がかっけえ。。お気に入りだったのはラップとメタルのシーン。ラップはまさしく反体制のメッセージというラップ本来の意義が息づいているところが痺れた、何言ってるか分からんけど。
そしてメタルのシーンは本当に見てほしい、最高にクール、、センス最高だ、、

N.W.A.の『ストレイト・アウタ・コンプトン』のように攻撃的なラップが抑圧されるというのは想像に難くないけど、音楽そのものが規制される世界の物語は新鮮だし心苦しい。
そしてバフマン・ゴバディ自身にとって映画を撮るとは一つの報道手段なわけだけど、それを実録する訳ではなくしっかり映画として構築するところに、彼らの映画と音楽への愛を感じた。

サントラがあるという救い。サブスク時代に感謝。
西洋文化の流入を厳しく取締るイランにおいてはインディー・ロックも規制対象。ただ音楽に生きたいと願う人たちにとっては警察や周囲の目を逃れて地下や田舎でひっそりとバンド活動するか国を出るかしかないという生きづらさ。それでも消えない若者たちの輝きとそこから生み出される魂の叫びとしての曲の数々。作中登場するバンドマンたちしかり,無許可のゲリラ撮影で本作を制作し完成後は亡命をしたバフマン・ゴバディ監督しかり,創作や芸術というものに人生をかけた人たちの情熱が詰まった結晶のような映画です。
mallowska

mallowskaの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ドキュメンタリー? 作り物?
ちょっと迷う感じのリアル。
ラストシーンは「えっ…」と絶句した。
かずい

かずいの感想・評価

3.4
イラン国内でロックやヒップホップがここまで取り締まられるとは知らなかった。イラン革命後は厳しいのね。
イランの不自由さ、音楽が規制対象だったりビザが降りなかったり色々描かれているもののストーリーが面白くない。

オチもなんだそれって感じ。
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