ブラックブックのハミングバードのレビュー・感想・評価

　ユダヤ人を虐殺するナチス、ユダヤ人女性を愛してしまうナチス将校、レジスタンスとしてスパイになるがナチス将校を愛するユダヤ人、ナチスから解放されてナチス協力者を売国奴と呼び残酷な吊るし上げをするオランダ市民、犯罪市民と手を組みレジスタンスにスパイを送り込むナチス将校、戦後に証拠を隠滅の為に部下を処刑するナチス将軍、この映画には戦争という状況下に表れる人間の性のようなものがとことん描かれる。果して誰が正義で誰が悪なのか。ナチスドイツのみを悪と捉えていないことにこの監督の良心を感じる。見応えのある作品。