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ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.0
東映YouTubeにて。ビーバップの2作目とのこと。

前作で転校したヒロインの今日子(中山美穂)が戻ってくる。前作で確か酷い目に遭っているのに、懲りずにヒロシとトオルと仲良くする不思議。
物語は青い制服の城東高校とのボンタン狩りからの大喧嘩が大筋だが、前半はそれ以外のエピソードもチラホラ。

まずスケバンの女(後の女子プロレスラー、ダイナマイト関西!)がヒョンなことからトオルとヒロシに彼氏をねだり、舎弟のデブをあてがう。
このカップルで柔道大会に出て、喧嘩まがいの柔道から、学校同士の大喧嘩へ。相手側のリーダーには色仕掛けでからかったりする。
この辺のヤンチャ感は如何にもな80年代のノリだ。

そして城東高校との抗争へ。やはり注目は城東のNo2テルだ。もう演技の癖の強さがすっかり有名になったもんな。歌舞伎役者みたいで可笑しみあって楽しい。
このおかげで大ボスが目立たなくなってしまったのは惜しい。

お互いやり合うが、中盤でヒロシ・トオル共に多勢に無勢で敗北。ボンタン狩りに遭って落ち込む日々。その後、舎弟が代わりに城東に喧嘩を売りついに再戦へ。
今日子を使って呼び出されたヒロシ・トオルは崖の上のチープなお店へ。

ここからがまた馬鹿馬鹿しくて楽しい。基本はヤンキーの喧嘩なのだがにスラップスティックなんだよな。これは監督の照れ隠しみたいなものだろうが、逆に上手くはまったと思う。ダンプカーがツッコんで崖から海に墜ちるだとか、挙げ句の果てはキートン並に建物が壊れるなど、くだらなくて笑っちゃう。

喧嘩は喧嘩で色々馬鹿馬鹿しい。普通金属バットとかで殴り合ったら死んじゃうけどそういうことは言いっこなし。プロレスみたいなもんだから。

劇中で仁義なき戦いを引き合いに出してるシーンがいくつかあるのも興味深い。東映のセルフオマージュなのだが、東映任侠・ヤクザ映画の成れの果てがこういうヤンキー映画とも取れる。やはりこのくだらなさこそが、東映イズム溢れる作品なんだよね。
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