りょうすけ

ジャイアンツのりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「ジャイアンツ」

テキサスに広大な土地を持つベネディクト家と時代の移り変わりを200分越えで描いた大叙事詩。主人公ビックが後の妻となるレズリーと恋に落ちたところから始まり、彼らの子供が大人となる時代までを描く。

旧時代的で、男とはこうあるもの、息子はこうあるべきという思想がしっかりしている主人公が時代の流れと共にだんだんと変わっていく様を描いており、フェミニズム要素や人種問題などにも触れているこの時代としてはかなり先進的な映画である。

メインキャラの3人の年代別の演技わけは見事なものだが、特にエリザベス・テイラーの演技が素晴らしかった。若い時はじゃじゃ馬娘、それが子供ができ、やがて孫までできる年齢になるまでの変化を経時的に演技わけていた。本作が遺作となったジェームズ・ディーンやロック・ハドソンも素晴らしいのだが、彼らは一貫して色気に溢れていた。

結構王道な展開ではあったが、息子を殴られたビックがジェットに対して「殴る価値もない」というシーンとメキシコ系の義理の娘を侮辱されたことでダイナーの店員と喧嘩をするビックのシーンはすごく感動した。この映画の一番のメッセージは「問題なのは良識ある人間の偏見である」ということだと思う。
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