AB型の末っ子

2001年宇宙の旅 新世紀特別版のAB型の末っ子のレビュー・感想・評価

4.1
「ハル、お願いだからハッチを開けてくれ……」

スタンリー・キューブリックの名作のひとつ。
残念ながら、未だに「時計じかけのオレンジ」を観れていないのが悩みなのですが、「2001年宇宙の旅」は今回やっと観ることができました!

高校の図書室の後ろの方の、借りられてる形跡のほぼ無いDVD棚から発掘したのが今作。テスト前の夜中に観たことは後悔してますw

再生し始めて慌てた冒頭。音は聞こえるけど暗いままで、DVDの不調かと再生し直したら、何と2分ほど真っ暗なシーンが続いているという…
劇場公開した時も、観客、スタッフ双方、戸惑った人多かったんだろうなw

そして流れるおなじみのオーケストラ、ストラウスの「Also sprach Zarathustra」しかも劇中3回も使われていて、気がつくと耳にこびりついて離れないw

その後も強烈。約15分、猿の日常を観せられて、気がつくと未来に跳んでいるw

圧倒的なスケールと芸術的なシーンは、本当に素晴らしいし、度々挿入される様々なクラシックや普段使わないような神経に触ってくるような効果音の数々も見事。

だけど…何が起きてたか全く理解できなかったw
特にモノリス。そしてラストの「オールド」と赤ちゃん。それでも、人工知能(あるいはスーパーコンピュータ?)の恐怖は感じたし、最近の映画(「プロメテウス」、「コヴェナント」や今月公開の「ザ・クリエイター」)でも描かれている感情を持つ機械たちの演出はとても好みだった。

それでも、冒頭の真っ暗や15分間の猿たちなど、所々「そこまで引き伸ばさなくても良くない?」っていうようなシーンが多くて、全体の長さよりも間延びが気になってしまったところもある。

しかし、その間延びが芸術的な余韻に繋がっているのも納得で、確かに、すごいものを見ている、という感覚はとてつもなかった。それに、この映画が1968年に作られているのがおかしいと思うくらい映像が超越している。

これだけ長く語り継がれ、愛されているのも納得な傑作でした…。

最近でいうと、「バービー」の冒頭や、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.3」で登場した宇宙服など、後世の作品でオマージュされていくのも魅力になっていきますよね。

この猿たちの着ぐるみリアルだなぁ、と思って観てたら、子供は本物のチンパンジーだったw