sekken

オーディションのsekkenのネタバレレビュー・内容・結末

オーディション(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

約四半世紀前の作品。それでもR-15で良いのかこれ。

主人公はそんなに悪い奴にも思えないのだが、男と女のどうしようもない根本的なすれ違いを感じた。女性社員や息子の彼女や家政婦など、「うーん?」と感じた違和が嫌な形でそのままだったのでまた……。まあ、あんまり同情はできなかった。誰が一番悪いかと言うと踊っておじさんだと思うし。息子と友人はまっとうに引き所をわかってそう。わかっていてくれ。

麻美、個人的に美人なのかはわからんけども、とにかく髪と声と立ち振る舞いが美しい。最後のおしおきシーンではやけに可愛らしくも見えた。白い服ばかりなのはだいぶ制作側の意図が込められてるのだろうな。吹っ飛びシーンはロッチの「轢かれたー!」ぽかった。もっとリアルにゴン、ドゴン、と音を立てながら打ち付けられて落ちたほうがリアルだったんじゃないか。それはそうと犬を巻き込んだので普通に嫌だった。ギャングではないほうの”犬”はバイオレンスジャックじゃねえかよって突っ込みたくなる。

麻美は絶対的な加害者であると同時に、圧倒的に被害者でもある。まったく違う作品だが平山夢明/無垢の祈り のフミちゃんを思い出す。フミちゃんが麻美みたいにねじ曲がって狂いきって成長したら後ろでオーディエンスやるくらいに応援できたよ。

暗くてジメついた色彩、サブリミナル的なカット、音響、石橋さんの呻き声、ホラーの盤石が厚いのでしっかり楽しめた。でも最後はちょっとよくわからないな。ハッピーエンドでは決してないが、バッドエンドでもない?あの後どうなるんでしょうかね。
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