Mitan

ラスト、コーションのMitanのレビュー・感想・評価

ラスト、コーション(2007年製作の映画)
4.4
R18指定の映画ということで、どんな映画かと思ったら、孤独に生きる男女の「生」の物語だった。

確かにセックスシーンは長いし過激だけれど、でもなんというか、いやらしくはなく、互いの感情をぶつけ合い、どちらがより心を支配できるか、2人なりの「闘い」という感じで、緊張感が漂ってる。
女はいつだって女優。日常でも、ベッドの上でも。

おそらく世の女性がきゅん、となるのは、トニー・レオンが一粒の涙をこぼす場面と、ダイヤの指輪を手にはめた彼女を見て微笑むところなのでは。
全く笑わない、鉄の仮面のトニー・レオンの無邪気にも見えるあの表情には、観てるこちらも心が締め付けられた。

どんな人でも、他人を本当に信じ、心をぶつけ合うことは難しい。彼のような任務に就くような人は尚更。だからこそ、誰よりも本当に信じ合える人を求めている。それが、チアチーだった。
「ダイヤに興味はない。ダイヤを身につけた君の姿が見たいんだ」
いつだって、彼は目の前の彼女だけを信じてきた。

ラスト、彼の大嫌いな暗闇で、かつてふたりがいた真っ白に光るシーツが印象的。

トニー・レオン、一気に大ファンになってしまった。かっこよすぎる。
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