SHIN

レインマンのSHINのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
4.0
強引な事業で資金繰りに苦しむチャーリーの元に、絶縁状態の父の訃報が。遺産に期待するも、彼に残されたのは車とバラの花だけ。詳細を突き止めると、遺産のほとんどは、自閉症の兄、レイモンドの信託財産となっていた。チャーリーは自分にも半分を受け取る権利があると主張するが聞き入れられず、強引にレイモンドを施設から連れ出すが、自閉症について理解の無いチャーリーにとって、レイモンドの行動は手に余るものだった。

序盤のチャーリーの強引さ、傲慢さ、障害者への理解の無さは不快だが、その後の変化を見ていくと、変化を見せるために序盤は誇張していたのだと納得。

35年前の作品だが、30年前に自分が中学生の頃、今考えたら自閉症だったと思われる子がクラスに居た事を思い出した。当時は自閉症という言葉すら知らず、ヘンな奴くらいにしか思ってなかった。いじめとかは無かったけど、彼には友達はいなくて、もっと話しかけたり、理解を示せてたらな、などと思った。

自分は障害者支援施設で働いていた妻から色々聞いて、多少知ってるくらいだけど、興味や機会が無いと、なかなか知る機会がないのも事実。

そういう意味では、自閉症というものを具体的に描き、周知し、受賞するほどのエンターテイメントに昇華したこの作品の意義は大きいし、そのためにホフマンとクルーズが果たした役割は大きい。

映像、演出、音楽、全てがいかにも80年代で、古いけど何だか懐かしくて、ノスタルジーを感じた。
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