KANA

レインマンのKANAのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
4.1

80年代ハリウッドの家族モノの中でもテッパンすぎる作品、久々に浸りたくて3度目の鑑賞。

自閉症の兄と借金に追われる弟の絆作りの旅。

なんといってもダスティン・ホフマンの演技に圧倒される。 
個人的に、サヴァン症候群ってものすごく興味があって、ドキュメンタリーとかあると食い入るように見てしまう。
カメラアイにしろ絶対音感にしろ、限られた分野とはいえそこへの突出した能力がミラクルすぎてワクワクする。
そんな役どころをホフマンはシュール味と哀愁たっぷりに。
本来はトム・クルーズが演じた弟チャーリー役に決まっていたのを、ホフマンたっての希望で配役変更。そして一年に及ぶ役作り。
その役者魂に脱帽!

私利私欲にまみれたチャーリーがレイモンド(ホフマン)にイラつきながらも、段々と肉親愛に目覚めていく過程にホロリ。
爆発する感情の奥にある内面心理を繊細に表現したトムの演技も素晴らしい。

パンケーキを頼んだ時メイプルシロップが最初からテーブルにある、というくだり…
初めてレイモンドが笑ってくれて、嬉しくて泣ける。
規律だらけの彼の中にほんのり情緒が芽生えたみたいで。

監督決定にも、スピルバーグを始め二転三転あったそうだけど、ユーモアとペーソスをバランスよく引き出したレヴィンソン監督の手腕も褒め称えたい。
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