人間の怨恨の念ほど怖いものはない。
子供の頃に親戚の家でおじいちゃんと一緒に見て、映画全編に流れる古い遊園地のお化け屋敷的な、なんともおどろおどろしい雰囲気に圧倒された記憶がある。
この映画のミソは祟りを利用した連続殺人事件なのか、祟りによる殺人事件なのか曖昧にしている点にある。わからないから怖いんだと思う。
恐怖を映画の目的にしてしまうとなんか白けてしまう。人間の心の闇に純粋な主眼を置いて推理物を肉付けしていった点にこの映画の独自性がある。
因みに山崎努が扮した多治見要蔵→村人32人大虐殺シーンは、実際に日本で起こった津山事件をモチーフにしている。怨恨の種類は違えど、こちらも凄惨さでは映画に劣っていない。
暑い夏の夜にぴったりな映画。ぜひご覧あれ。