げんきさん

ゴジラ対ヘドラのげんきさんのレビュー・感想・評価

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)
4.0
ゴジラシリーズの中でもカルト的人気を誇っている本作を久しぶりに視聴
子供の頃に観たきりだけど、当時はとにかくなんか気持ち悪い映画だなという印象だけとても強く残っていた。
結果とても面白かった(昭和シリーズの中では初代の次くらいに好きかもしれない)

まずヘドラの設定がめちゃくちゃ凝っている。とってつけただけのような設定の怪獣が多い中、どういう由来で怪獣化して、なぜ公害を好んで自らに取り込み武器にするのかを細かく描いていて、ストーリー進行や世界観に説得力を持たせていた。

話の流れもある意味初代を彷彿とするような内容になっていて、人間のエゴで誕生してしまったヘドラが暴れ回り、詳しくは触れられていないけど恐らく?住んでいた環境を汚されて怒ったゴジラと対決するという流れも不自然な感じはしなくてよかった。

前作から更に低予算での作品になってるはずだが、ヘドラのデザインや演出、街への襲撃シーン等金をかけるところにはしっかり金をかけて工夫している感じがしてそこもとてもよかった。
(あえてなのか急にアニメーションを挟んだり、自衛隊vsヘドラのシーンがなく、「ミサイルが貫通して効果がありません!」というセリフのみで語られたり、最終決戦の地がありがちな富士山麓で周りに何もなかったり等露骨に予算足りてないんだろうなと思えるシーンもあるけど)

ゴジラの描き方も個人的には好きで、昭和シリーズにありがちな擬人化されすぎなゴジラの演出はあんまり好きじゃないんだけど、今作は少年と心を通わせているようなガメラ的描写はあるものの完全に正義の味方的な描き方はされず、ヘドラを倒すために容赦なく暴れ回ったり、ヘドラにトドメを刺した後に「おまえらを許さないからな」と言わんばかりに人々を睨みつけるシーンがとても良かった。

初代と同じくらい社会風刺盛り盛りで、ストーリーも怪獣設定もよく、とてもよくできたゴジラ映画だと思います!