青二歳

遠山桜宇宙帖 奴の名はゴールドの青二歳のレビュー・感想・評価

3.5
“遠山の金さん〜まぼろし奉行”(1966刊)のSFオマージュ小説をOVAでアニメーション化。な、なんじゃこりゃ。江戸時代風SFだと…
き、気を取り直して、世は泰平。江戸の泰平をどうSFで表現するのかと思ったら、コンピュータ“EDO”によって戦争のない社会という設定だった。普通そういうユートピアは自ずとディストピア路線に転換していくけど、江戸時代がモデルなのできな臭さがあまりない。どことなく鷹揚。…改めて考えると…よく出来てるな…SF設定も江戸風味だと大雑把で許されるぞ…あとは内政の揉め事やお家騒動で話を転がせばいい訳で。
ただお話は、コンピュータ“EDO”による支配のいびつさが主軸となるので、この映画の書式は一応ディストピア映画のそれである。“EDO”は適切と判断された政策を提示し、その政策を実行する人事決定権をもち、さらに司法権も握る存在。しかし遠山の金さんがモデルである以上、コンピュータ“EDO”の"あやまち"をただすのは主人公のゴールドであり、ここで金さんの名采配となって見せ場。
何を言ってるのか分からないと思うが…


【あらすじ】
泰平の世、ダウンタウンで賭事に耽るドラ息子ゴールドが今夜もオケラに。懐さみしく酒場の歌姫との帰り道、突如忍者(まがい)の連中(とオカマ)に襲われる。
騒ぎに駆けつけた警察はゴールドの叔父であった。叔父は、兄レトクラード(甥ゴールドの父)が誰かに襲われ入院していることを告げ、無理やり病院に連れていく。勘当された息子と父との折り合いは悪く、父子の再会はギスギスしたもの。しかし父の「幽霊に襲われた」という言葉が気になったゴールドは、その土地に行くことにした。
そのスペースコロニーでは、君主と世継ぎが事故で死んだばかりだった。彼らはコンピュータ“EDO”のある政策に反対していたという。そして実は世継ぎは生き残っており、ゴールドの父であるレトクラード執行官が謀殺したと復讐を図っていた…
果たしてコンピュータ“EDO”は、真に正しい政策、適切な人事、公正な裁決が出来るのかー


まず“まぼろし奉行”を調べたのですが図書館行かないとない…近くの図書館にはない…なのでどの程度オマージュになってるのかは不明です。このアニメのオチを考えると元ネタがとても気になる…!そもそも遠山の金さんって小説で読んだことないや…元ネタの小説も、このアニメの原作小説も気になります。一体どうオマージュにしているのだろう。

ところで江戸時代アニメの一番のハードルは江戸弁。
この時代の声優は劇団やってたり演技派が多いとはいえ、さすがに時代劇のスキルは先ず無い。という訳で時代劇を好む人ほど堪え難いものになってしまう…と思う…
しかも主役が矢尾一樹さん…失礼ですけどお若い頃ってそんな上手くない…ので余計に江戸弁が聞きがたい…
サムライが出てきて「〜ござる」とか適当な武家言葉しゃべるなら下手も上手いもないから問題ないのだけど、江戸弁は特殊スキルですね…(・ω・)
「ところがぎっちょんちょん」とか80年代ならではだなぁという“今風”(?)な言葉のアレなセンスは楽しい。なんというか、オンタイムで見てないと戸惑うばかりのアレなセンス…
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