名作と聞いていたし、一度は見たいと思っていたけれど、超大作のためなかなかチャンスがなかった。
今回BSプレミアムで放映、やっと見た。ありがとう。
やりきれない。
ホロコーストを描いた作品には
いつまで経っても慣れる事ができない。
アンネの日記から始まり
戦場のピアニストまで、ありとあらゆる小説、映画、そして何より辛い実際の記録。
シンドラーは、多くの命を救った高潔極まりない男と思いきや
結構オンナやグルメやオシャレにお金を使いまくった、私利私欲溢れる人間で、そこがリアルだった。
その、普通の金持ちの実業家が
だんだんとおかしいと気づいていく過程が丁寧に描かれていた。
残虐で面白半分で、不満の捌け口としてユダヤ人が殺されていく。
いきなり頭を撃ち抜かれて。
子供も、女も、老人も区別なく
気まぐれで撃ち抜かれていく。
いつも思う、何故反抗しない?何故暴れない?
そして何故SS側の人間も何故酷いと 思わない?
集団の中を歩く、赤い服の幼い少女。集団じゃないんだ、一人一人存在しているんだ、と気づくシーン。
あの子は希望の象徴ではないか、あの子はきっとラストシーンで
ありがとう、ってシンドラーに言うのじゃないか、と映画的に思っていた。
でも。
その子をめぐる残酷な色々はまるで無く、ただ、あそこにチラッと赤い服の女の子。
物凄い衝撃だった。
それが現実。
最後、シンドラーが、
もっと沢山の命を救えたはずだと
慟哭するシーン。
我々も同罪。
少し前に見たけれど、なかなかレビューが書けなかった。