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シンドラーのリストのkojikojiのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.1
1993年 アメリカ 監督スティーヴン・スピルバーグ
キャスト:リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー

 死を直視すること。戦争を直視すること。事実を直視すること。逃げてはいけない。 スピルバーグがどうしても、これは観ないといけないと言っている。

 スピルバーグ。我々の世代のヒーローだ。
 もちろんユダヤ人である。しかし彼は言いたいに違いない。そんなことではないのだと。ユダヤ人とか、アラブ人とか、プエルトリコ人だとか、日本人だとか、そんなことではないのだと。単なるユダヤ人の物語ではないのだと。

 しかし、どうしてもつき動かすものがあってもいいのではないかと思う。ユダヤ人である以上、ユダヤ人に起きたこの悲劇を、表現することは使命だと思って当然だ。

 映画ファンならきっと言うだろう。
「今頃かい」と。
 私的にはシンドラーのリストは、死ぬまでに観たい映画マイベスト1000の最大の難敵だと思っていた。
 観なければならない。それはわかっていた。直視できるか。今まで何度も挫けた。直視することになぜ耐えねばならないのか。

 どうしたわけか、ふと今日観たいと思った。前にも書いたが、映画とのかかわりとはそうしたものだ。
 そして、やっぱり泣いた。
 ユダヤ人の運命にではなく、シンドラーの崇高さに。

 それ以上にスピルバーグ、よくぞ作った。この映画は、歴史に残すべきフィルムだと強く思う。彼は、きっと泣きながら作ったに違いない。映画の価値を改めて感じる。

 こんなことも考えた。不思議なものだと。ヒットラーが現れ、そしてシンドラーが現れる。神はどうしたいのかと思う。

シンドラーが最後に言う。
「あと2人救えた。」
非常に映画的な言葉だと思った。
しかし、この言葉は欠かせない。
スピルバーグのシンドラーに対する思いがこの言葉に凝縮されていると思う。

 今年の評価最高でしょう。

#2022ー74
死ぬまでに観たい映画マイベスト1000ー13
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