チダ

シンドラーのリストのチダのネタバレレビュー・内容・結末

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

いろんな人から薦められててや〜〜〜〜〜〜っとみたんだけどこれは………………………てなった
本当に素晴らしい映画でした これは………………………………

画作りが全編通して本当にリッチというかスピルバーグ監督のリーアムニーソン氏の魅せ方が本当に素晴らしかった モノクロの画のなか金を稼ぎ明るく踊り走りキスして笑い、崩れ落ちるように苦悩し怒り泣くリーアムニーソン…紫煙を静かに燻らせる美しいリーアムニーソン……………おお……リーアムニーソン…………………………………………………………
リーアムニーソン氏、ランオールナイトのリーアムニーソン氏が一番印象強かったんだけど(くたびれてるけど強い意志を秘めた寡黙な壮年男性)ガッツリ塗り替えられちゃったな…どこまでも人間臭い色男だ……………
リーアムニーソン氏本当にメチャクチャかっこいい 冒頭のパーティーのシーンなんか完全に”理解ってる”撮り方だったもんな
「俺はこの最高の俳優の扱い方を知ってるぜえ〜!^^」っていうスピルバーグ監督からのアツいジャブだった
中盤地下での虐待とパーティーと結婚式が交錯するシーン、震えるほど恐ろしくて美しくて切なくて訳わかんなくなった もうなんもわかんないよ…すごいことしか…
スピルバーグ監督もE.T.とかA.I.とかジュラシックパークとかワクワクするような感動作、娯楽作品の名手って印象が強かったからビックリした
こういう映画も撮るんだ…っていう…改めて天才なんだなて思った
娯楽作品しか撮れないと思われてた監督の叛逆の意図があったのかもみたいに言われてたけど納得だな〜本当にすごい作品だ

あと見てて唸ったのがシンドラー氏がはっきり英雄、善人、救世主って描かれてる訳じゃなくて享楽的で派手好きの伊達男のシンドラー氏が惨状を目にしてせめてどうにか、自分のできる範囲/手の届く範囲だけでも救えんのかって良心と共に足掻く感じというか……………
ボロボロの女性は門前払いするくせにその女性が着飾って訪ねてきたらアッサリ通すところとか、その女性からシンドラーさんなら助けてくれるって聞いて自分の保身の危機に怒りながらそれでも助けようと根回しに奔走するところとか………………………………
戦争で稼いだ金であとは隠居して面白おかしく暮らす予定だったやり手で強かな実業家が「全て」を手放してそれでもなおまだ手放せたんだ、救えたんだ、まだ救えたのに、って泣き崩れるシーンとか もう本当にどうにもならない気持ちになった
「鴨の水かき」じゃないですけど優雅に楽しく派手に振る舞う色男の必死で痛切な人間臭さみたいなものがずっと描かれてて 最後の最後に決壊するのがもう もう……………………………………………
シンドラー氏に救われた人たちが静かにシンドラー氏を抱きしめるのももう、堪らなかった

シンドラー氏がはっきり英雄、善人、救世主って描かれてないの、意図的にそう描かれてるみたいでス、スピルバーグ監督……………………………………………!ってなった すごいよ…
戦後結婚も事業も上手くいかなかったっていうところまで描くのも、同時に今もなおシンドラーのリストに載った人たちがシンドラー氏の墓参りに訪れるっていうところまで描くのが、本編通して二面性を描いてるのがもう「全て」だよなあってなった 人間の………………………
殺す人殺される人、救う人救われる人、出てくる人間たち、切実さや愚かさや無様さや愛おしさ全部ひっくるめて全員どこまでも「人間」なのが本当に堪らなかった
チダ

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