浅野公喜

マッドライダーの浅野公喜のレビュー・感想・評価

マッドライダー(1983年製作の映画)
3.4
どう見ても「マッドマックス」シリーズに影響を受けたと分かるイタリア製アクション。これが意外な掘り出し物で、ちゃんとモヒカン頭の悪役も登場しています。

主人公がかなり自分勝手で感情移入の対象になりにくいのが致命的設定とも言えますが、生きるか死ぬかの状況の中で己の欲望を一番大事にする所はある意味人間らしいかもしれません。
その主人公の仲間として少年(フルチ爺の「地獄の門」にも出演してました)が加わっている点は「マッドマックス2」そのまんまですが、あちらが無口な設定だった一方、こちらはちゃんと喋れる為交流から生まれるドラマはそれなりに成立しており、途中バイクに腕を引き裂かれますが実は・・という流れ、その後のメカニックお爺さんとの出会いでもたらされる展開はちょっと驚愕で、終盤活躍してくれます。
メグ・ライアンをちょっとごつくしたヒロインも主人公よりもマトモで、この女性と少年を主役にしても良かったかも。

シンセ中心のBGMが余りにチープで盛り上がりに欠けるのが△ですが、カーアクションは爆発は勿論横転、車に設置したジャンプ台を使ってバイクがトラックに向かって飛んだりとかなり充実。水源を保有する施設に設けられたトラップも〇。

そして「マッドマックス」のインターセプター的存在なのがマーキュリー・モンテーゴをベースにした通称「エクスターミネーター」。
外見に関して言えばボロ車を改造した感じなのでインターセプターよりはスター性(?)に欠けるんですが、パンクしたタイヤを自動で直したり、ミサイルを積んでたり内装は「ナイトライダー」のナイト2000寄りの近未来的なもので凝ってます。
浅野公喜

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