【秀作とは言えないが】
カンヌ映画祭でグランプリを取ったというので話題の河瀬直美監督作品。
老人ホームで亡き妻を思いながら暮らしている男。そこに新米看護士としてやってきた若い女性は、自分の過失から子供を死なせ離婚した過去があった。
ある日、彼女はクルマに男を乗せて遠出をするが、人里はなれた狭いあぜ道で脱輪してしまう。男はやがて森の中に入っていき・・・というような筋書き。
とどかぬ人への想いが虚空にさまようとしばしば狂気の淵に導かれる、という事情が、道筋もはっきりしない森の中をさまよう男女二人の姿で表現されている。
すごい秀作とは思わないけど、一見に値する作品ではあろう。