このレビューはネタバレを含みます
最高クオリティの童話映画。
童話が好きな大人・子ども、魔法やドラゴンやユニコーン等の世界に夢を感じる人にとっては、ここまで作り込まれているなんて最高にワクワクする作品だろうなと思う。
ファンタジー小説を読まないので他と比較はできないが、設定のリアリティ、ディテール、余白には、どこまでも考察し派生作品や二次創作に繋げられる可能性を感じさせられた。人気が長続きするのもわかる。
私は童話や魔法ファンタジーがあんまり好きじゃないのでこのスコア。
好きな点。
クリスマスの夜にスネイプの密談を盗み聞くシーンの悪夢のような描写と、最後の10点は良かった。大広間が好き。日本の小学校にはみんなが集まって運動する場は普通にあるが、みんなが集まってチェスや読書をできる場はないのでは。
気になる点。
ハリーが何の努力もしていないうちから、野心もなく純心に血筋だけで際立っているというあざとい描写が嫌だった。
ハリーは勇気と意志を褒められていたけどハーマイオニーも同じくらい持ってると思う。しかも知識と実技を兼ね備えている。ないのは血筋だけ。
敵対する人の不幸を見た時のハリーの笑顔が無邪気じゃなくて怖かった。あんな目に遭わされたらそうもなるんかな……。
表現のために現実味が犠牲になるのが気になった。例えば箒の授業で生徒ひとりの暴走も処理できず重傷に至らしめる教師。権威ある学校で凛と指揮を執る大人として本来ならまず有り得ない。
節々で語られる教訓が響かなかった。