Jeffrey

白い肌に狂う鞭のJeffreyのレビュー・感想・評価

白い肌に狂う鞭(1963年製作の映画)
2.8
「白い肌に狂う鞭」

冒頭、19世紀のヨーロッパ某国。メンリフ伯爵の一族が穏やかに暮らす海辺の城館。招かれざる客、残虐な振る舞い、欲求、残忍なむち打ち、殺害、悪夢。今、ー族にさらなる悲劇が起きる…本作は1963年にマリオ・バーヴァがクリストファー・リーを主演にさせ監督したフランスのホラー映画で、制作はイタリアである。死んだはずの夫の兄が毎晩現れ、若い妻の肌に鞭を振るうと言う美しい映像の中でサドマゾの猟奇を捉えたバーヴァのカラー作品を、この度BDBOXが発売され初鑑賞したが面白い。彼の作品の風景に出てくるラツィオ州トール・カルダーラの海岸はいつ見ても不気味な美しさを放つ。舞台となる古城はガラスに描いた絵を崖上に合成し特殊効果の撮影で作られているようだ。

さて、物語は19世紀のヨーロッパ某国。メンリフ伯爵の一族が穏やかに暮らす海辺の城館にある日突然、一族の長男クルトが帰ってきたのである。彼は放蕩癖と残虐な振舞いが原因で勘当されていた。勿論、誰からも歓迎されなかった。所謂、招かれざる客なのだ。だが弟のクリスティアーノは優しく、彼に同情的な姿を見せた。クルトはクリスティアーノの若くて美しい妻ネヴェンカに惹かれる。ある日、欲求抑えられなかった彼が彼女を襲い、鞭打つなど残忍な仕打ちをしでかしてしまう…。その翌日、クルトは何者かに殺害される。だが、ネヴェンカはそれ以来、毎日のようにクルトの悪夢に悩まされるはめに…やがて、一族に更なる惨劇が起きる…と簡単に説明するとこんな感じで、サドマゾ趣味あるいは暴力と性愛が強く結びついた、現代的なホラー映画に感じる。多分吸血鬼モノに刺激を受けている描写がいくつか見える。性的恍惚の暗示の巡り方もすごい。確かこの作品は「血塗られた墓標」のバーバラ・スティールが主演候補とされていたが、ホラー女王のイメージを嫌がってオファーを断るっていたなぁ。そのかわりイスラエル出身の女優のダリア・ラヴィに抜擢して作っていた。
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