羊たちの沈黙のうえあのネタバレレビュー・内容・結末

サイコーに面白かった。
レクター博士の圧倒的な存在感と、クラリスの迫真の演技！物語に引き込まれざるを得ない。

クラリスがレクター博士にヒントを得らながら犯人を見つけだす、ミステリーな面も面白かったが、それ以上にクラリスとレクター博士の関係が興味深い。

初めてレクター博士と面会した際のクラリスは間違いなくレクター博士「を」分析しようとしていたが、物語が進むにつれてその立場は完全に逆転してしまうのだ。犯人についての情報を与えるという交換条件で、クラリスについての生い立ちを聞き出すレクター博士。クラリスの人間性が浮き彫りにされて行く過程がなんとも興味深い。そして最後までクラリスが述べた昔話が真実かどうかは不明のままである。これがまた面白い。はたしてクラリスは本当に、幼少期に牧場主が羊を屠殺するシーンを目撃し、それが今でもトラウマになっているのか。それとも、他にあまりに辛いトラウマがあり、羊を屠殺した牧場主から逃げたという別のトラウマに置き換えているだけなのか。冒頭のシーンで囚人から侮辱された際のクラリスのショックの受けようを考えると後者のような気がしてならないが、真実は闇の中。

どんな観点から観ても面白い。
ずっと名作として語り継がれて行くんだろうなと感じさせる映画だった。