あんなところにコーマン御大!
まさにクラシカルな、偉大な偉大なサイコスリラー。別にオシャレでもないSFでもない映画でこんな神話の様に感じるのはやはりレクター博士のキャラクター性が今の時代から見ても恐ろしい程完成されているからでしょうね。
それに女性の社会進出をただ単に描いてるだけじゃなく、それすらもレクター博士の策略に乗せるところがね、今作の上手いところといいますか。男性社会から見た女性への目線、社会全体から見たサイコパスへの目線。そこに共通点を見出させて利用するのだからサイコパスからすれば社会進出などコマに過ぎないワケで、そんな人間離れしたところに神話性が出たのだろうなと。
あと、脚本の勉強をする上ではかなりお手本の様な主人公の葛藤とそれを乗り越える過程が描かれます。トラウマがあって、それを想起する現場でクライマックス…という字にすればシンプルかつ基本中の基本ですが、その基本でここまで面白くハラハラを感じさせるのも中々出来ないよなあと感動しますな。ただ、この監督はこれ以降あんま当たらなかったそうな…
確かに割りかし怖い映画ではあるけど、これくらいなら地上波放送出来るんじゃないか?