翔

羊たちの沈黙の翔のレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
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女性が物語を推進していく様は、その周りを取り囲む男性の個性がつよいこともあり、感情移入を誘い、結果として地下のシーンの恐怖心を強める。また、見るものが不快感を抱いてもおかしくないほどの異常犯罪者、レクター博士は言動のそこかしこに知性を感じさせ、アートや自然への愛、香水や装飾品への言及などからも、気品すら感じる。レクターの優秀さ、クラリスの優れた人間性は、二人の師弟関係(のようなもの)を自然に醸成し、二人が織りなす会話劇は、当然物語の推進力となり、またサスペンスとして示唆的でもあり、単体でも見ごたえのあるシーンとなっている。傑作。
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