ろーたす

羊たちの沈黙のろーたすのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.7
クローズアップが観たけりゃ羊たちの沈黙。圧倒する構図、演出が観たけりゃこれを観ろと勧めたくなる程の迫力。そして何より脚本が凄い。

餅は餅屋、猟奇殺人は猟奇殺人者に聞けという、確かに合理的な方法で事件に歩む事になったFBI訓練生クラリス。
男社会なFBIで努力を続ける彼女を、男に囲まれ埋もれるなんとも分かりやすいボディランゲージで表したエレベーターシーンからもう感嘆しました。(こうゆう演出に自分が気付けると、監督の意図を汲めてる嬉しさもある)
周りの訓練生からはジロジロ見られ、憧れている先生からはどこか性的な視線を感じ、虫博士にはナンパされる…etc.
常に視姦される彼女を唯一違う視線で、彼女の内面を見ようとして逆に誰よりも目がガン開きしてしまうレクター。(この皮肉が個人的に笑ってしまう笑)
初対面する時のレクターのインパクトったらもう。浅い被写界深度で画角一杯に顔がクローズアップ。会話のペースを完全に掌握されている様なその演出とホプキンスの表情が最高。


過去のトラウマを乗り越えて、FBIで犯人逮捕まで至ったクラリス。
冒頭の看板札にも「痛みを愛せ」とあるように、痛みを愛して(乗り越えて)、成長する。という強いメッセージ性が、ハラハラのラスト10数分でこれでもかと体感出来ました。
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