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ブロンクス物語/愛につつまれた街のkurageのレビュー・感想・評価

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1960年代、ブロンクス地区にヒスパニック系、黒人が増加し始めた頃の話(時系列でいうとウエスト・サイド・ストーリーの10年後くらいの話かな?)。
ギャングのボス、ソニーに憧れるイタリア系移民の少年カロジェロが主人公。
ソニーが起こした殺人事件の目撃者だったが嘘の証言をしたことにより、ソニーに気に入られるカロジェロ。そんな息子を心配する父親がバス運転手ロレンツォ(ロバート・デ・ニーロ)。
黒人の彼女と人種差別をするギャングもどきの友人たち、正反対の立場に立つ二人の父との間で葛藤する中で、少年は大人になる。

いくつかの実話を組み合わせていると思うけど、カロジェロを心配するソニーが魅力的に描かれていたと思う。黒人の彼女も。本作では監督だったからか、デニーロの個性はちょっと薄め、だけどいい塩梅で息子を愛する父の姿が描かれていた。

息子をバスから下ろすときに必ず建物に入るまで確認する、父親のそんな仕草が効いている。父の心配をヨソに、バスから降りたカロジェロはソニーを憧れの眼差しで見つめる。ソニーといえば『ゴッドファーザー』ヴィトーの長男、そしてヴィトーの若い頃を演じたデニーロ、と連想してゴッドファーザーの周辺話を観ているような感覚もあり。
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