ウィリアム・フリードキンからジョン・フランケンハイマーへメガホンを渡しての続編。密売人たちによって主人公ドイルがヘロイン中毒にされる展開はインパクト大。しかしながら、その件における一連の時間経過が不鮮明なこともあり今ひとつドイルの苦しみがこちらへ伝わらず共感性に乏しい。一体彼は治療にどれ位の期間を要したのか?物語はエイプリルフールのエピソードで始まるが、ではあのラストの時期はいつなのか?そこがスッポリ抜け落ちた気がしてならない。前作の特長だったキレのあるアクションはすっかり鳴りを潜め、カメラワークも凡庸(撮影監督異なる)。唯一の見所はドイルが薬物治療中にフランスの刑事と交わすメジャーリーグ関連の会話シーンのみと云ったら少し酷だろうか (2025-15)
ヤンキースの入団テストに受かったドイルは傘下マイナーチームの春季トレーニングへ参加するが、そこに居た身体能力抜群の若者を見て自信を喪失し警察官を目指す。そのプレーヤーこそが後に「史上最高のスイッチヒッター」と呼ばれるミッキー・マントルだったと云う話はMLBファンの私には堪らない内容である。ニューヨーク育ちのドイルにとっては恐らく米国大統領以上の存在たるマントルのことをフランスの刑事が知らないところなども文化の違いを感じさせて面白い