Cineman

アンタッチャブルのCinemanのレビュー・感想・評価

アンタッチャブル(1987年製作の映画)
4.0
『アンタッチャブル』
ブライアン・デ・パルマ監督
1987年アメリカ
鑑賞日:2023.01.22 U-next

【Story】
1920年代から30年代初期の禁酒法は闇酒場を横行させ、アル・カポネをボスとする犯罪組織は酒の密造とカナダからの密輸により莫大な利益をあげていた。
地元の警察や裁判所もカポネに買収され言いなりになっていたシカゴでは市長選に出馬したら必ずカポネが選ばれると噂されるほどだった。
アメリカ政府は財務省のエリオット・ネスをシカゴに派遣した。
赴任早々、警官たちを引き連れて密造酒摘発で手柄を立てようとするが、ギャングに買収されていた警官が情報を漏らしていたため失敗し、新聞記者に失敗した場面の写真を撮られて世間の失笑を買う。
意気消沈したネスはその晩夜道で出会った初老の警官ジム・マローン(ショーン・コネリー)に「警官の仕事は手柄を立てる事ではなく、無事に家に帰る事だぞ」と諭される。
ベテラン警官のマローン、射撃の名手ストーン(アンディ・ガルシア)、税理士のウォレス(チャールズ・マーティン・スミス)といった3人のメンバーを引き連れてネスの体を張った捜査が始まる。

【Trivia & Topics】
*アンタッチャブル。
ネスと三人の仲間のチーム名のこと。
シカゴ市警の警官のほぼ全員がタッチャブル(どうにでもなる)が彼らは絶対に買収されなかったためにアンタッチャブルと呼ばれた。
本作では4人で結成されていたが現実には11人のチームだった。

*エリオット・ネスはFBIじゃなかったの?
『アンタッチャブル』は財務省種類取締局の捜査官だったエリオット・ネスの自伝を元に制作されたがテレビ・シリーズではFBIの捜査官となっていた。
シカゴでのカポネを摘発するという大手柄をたてたネスはFBI入局を希望したがカポネを捉えたネスに嫉妬していたと噂されるFBIのフーヴァー長官はネスの入局希望を拒否したと言われている。

*現実のエリオット・ネス。
ネスの自伝に対しては誹謗中傷も多い。
現実のエリオット・ネスは正義感は人一倍強かったがワーカホリックのために結婚も長続きせず、皮肉なことに生涯を通じてアルコール依存症だった。

*ネスを演じたケヴィン・コスナーの場合。
下積みの長かったケヴィン・コスナーは本作品で一気に注目を浴び、ゲイリークーパーの再来とも言われトップスターの仲間入りをする。

*西部劇もあれば階段落ちもあり。
ブライアン・デ・パルマ監督は大林宣彦監督と相通ずるものがある。傑作を創ったと思うと駄作を発表したり。
映画愛に溢れいているのでついつい「そこまでやる?」な画面がある。本作でパルマ監督は騎兵隊を登場させて西部劇をやったかと思うと『戦艦ポチョムキン』の階段落ちまでやってしまう。両監督ともお茶目なんですね。

*受賞歴
・第60回アカデミー賞助演男優賞(ショーン・コネリー)
・第45回ゴールデングローブ助演男優賞受賞(ショーン・コネリー)

【5 star rating】
☆☆☆☆
(☆印の意味)
☆☆☆☆☆:見事な作品
☆☆☆☆ :面白い作品
☆☆☆  :平凡な作品
☆☆   :残念な作品
☆    :退屈な作品
Cineman

Cineman