福福吉吉

ひとごろしの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ひとごろし(1976年製作の映画)
3.5
双子六兵衛(松田優作)は福井藩一の臆病者であり、妹のかねからも呆れられる男であった。彼の仕える福井藩内で、武芸指南を行っていた仁藤昂軒(丹波哲郎)が若い藩士を数人斬り捨て、潘を去ってしまう。怒った藩主は「上意討ち」を命じるが、昂軒の強さを知る藩士たちは誰も手が出なかった。そんな中、六兵衛は上意討ちに名乗りを上げ、昂軒を追うことになった。実力ではとても敵わない六兵衛は奇策に打って出る。

ストーリーは分かりやすく、テンポも良いのであっさり観ることができました。

松田優作演じる双子六兵衛の臆病ぶりはとても面白く、誰に対しても敬語でビクビクした感じが出ていました。そのくせ、律儀で敵となる昂軒が溺れているところを助け、あくまで自分が上意討ちを果たす形に拘っていてそんなところもユニークでした。

そして、上意討ちの相手である仁藤昂軒は武勇に秀でていて、勇ましく卑劣な手を拒む英雄のような男であり、最初の若い藩士たちを斬り捨てたのも闇討ちされたためであるので、全く悪くない男であるので、正々堂々を好む昂軒と臆病でまともに戦わない六兵衛の結末がどうなるのか、最後まで興味をもって観ることができました。

とても面白い作品でした。喜劇として良く出来ていると思いました。

鑑賞日:2022年12月3日
鑑賞方法:BS/CS BS日テレ
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