ひとごろしの作品情報・感想・評価

「ひとごろし」に投稿された感想・評価

福井藩随一の臆病者の六兵衛(=松田優作)が、福井藩随一の剣豪・昂軒(=丹波哲郎)の討手として名乗りを挙げ、昂軒打倒の旅に出るって話☆

剣術と槍術に長けた昂軒は、主君の肝煎(きもいり)で福井藩に招かれたため、藩内で訝(いぶか)られる存在。そんなわけで、遂に闇討ちにあうも、昂軒は刺客のことごとくを返り討ちに。
しかもその中に福井藩での有力者も含まれていたうえに、勝手に出藩を決めて出ていった昂軒に藩主は激オコ!″上意討ち″が命じられます。(上意討ちとは、主君の命をうけ、罪人を討ち取ること)

そんな大役に立候補したのが、武芸の鍛練は苦手、子犬にも恐れるほどの臆病者の六兵衛。そんな逆立ちしても剣豪の昂軒に勝ち目が無い彼が取った戦法は・・・
「ひとごろしーっ!ひとごろしーーっ!!」
と、行く先々で昂軒に向かって叫びまくる、心理作戦と言えば聞こえは良いが、いわゆる嫌がらせをするというもの。

これが、質実剛健、謹厳実直な昂軒には効果覿面(てきめん)で、どんどん肉体的にも精神的にも追い詰めていきます。
(堪り兼ねた昂軒が
「話し合おう!」と訴えかけるシーンは爆笑もの♪)

松田優作がこんな情けない役をやるというのはわたくし的に新鮮で、昂軒の再三に渡る対戦要求を頑として拒否する芯の強さも持っているという複雑な役柄を演じていました。

己の力を知り、信念を持って事に当たるという、自身の実生活にも活かせそうな知恵を授けていただ気持ちになる一本(* ̄ー ̄)☆



○キャスト○
双子六兵衛/松田優作
仁藤昂軒/丹波哲郎
かね/五十嵐淳子
およう/高橋洋子
加納平兵衛/岸田森
宗方善兵衛/桑山正一
M

Mの感想・評価

3.0
春日太一氏がラジオで紹介していたのを聞いて鑑賞。

あの松田優作がなんと気弱な侍を演じるが、これがまあ情けない。
なんとなく古畑任三郎の西村雅彦のコミカル演技を思い出した。
「ひとごろしー!」の一声で周囲の人々が慌てて逃げ出すのを何回も観ていると、ほんとにコントを観ているみたい。

凄腕の剣客丹波哲郎は今回も悪役なんだけど、ある意味至極まっとうでかっこいい。観ている方も思わすコッチに肩入れしかけるほど…
切腹シーンはほんとに覚悟を決めた侍の所作を見ているよう。

時間も短いし、サクっと楽しめました。
書庫番

書庫番の感想・評価

3.5
2018年9月25日 U-NEXTにて視聴。

臆病者の汚名を雪がんと、藩の要人を切り捨てて脱藩したお抱え武芸者の討手に名乗りを上げた男の、奇策を用いた上意討ちを描いた作品。
汗みずくで上意討ちの相手から恥も外聞もなく逃げ回る、若き松田優作の姿が新鮮。
噛み合わぬ二人の奇妙な付かず離れずの珍道中に二人と関わった旅籠の若女将が加わり何故か主人公の手助けを買って出るが…。

妬みから命を狙われ、身を守る為に相手を切り捨てた敵役に対し、正攻法で敵わぬと形振り構わぬ姑息な手段で追い詰める主人公という図式が面白いが正直、展開に無理があり興醒めもする。
それでも最後に見せる主人公の不敵で強かな面構えは中々に良い。
Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.5
松田優作がひたすら「ひとごろしー!」と叫ぶ姿が印象的な映画!
逃げるが勝ち!
記録用

山本周五郎原作。
松田優作主演の時代劇!

「面白いに決まってる!」

そう思って観たものの、何度も寝落ちしてレンタル終了…

したがって、落ちも分からずスコアレス。
記録用とさせていただきます。

このレビューはネタバレを含みます

 

自宅(CS放送)にて鑑賞。35年前の'76年公開、山本周五郎原作。タイトルとは裏腹にコメディ・タッチな一種のロード・ムービー。風景がビビッドで美しく収められており、何度か登場する明るい昼間の雨シーンもよく撮れている。主演“双子六兵衛”役でコミカルな松田優作が観れる。当時プライベートで中村雅俊と争奪戦を繰り広げた五十嵐淳子が“かね”で出演。“およう”の高橋洋子、初々しく瑞々しい演技。“仁藤昂軒”役の青年期の丹波哲郎はアグレッシブな上、堂々として存在感が有り、晩年の印象とは随分違う。50/100点。

・鑑賞日:2011年9月2日
★☆ 某サイトより転載 ☆★

 
小森

小森の感想・評価

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ひとごろしー!!!
強過ぎて藩を追われた丹波哲郎対最弱のヘタレ武士松田優作!自分が弱過ぎるせいで妹が嫁に行けないと知った松田優作が、妹の為に丹波哲郎の仇討ちを引き受けるんだけど、ビビり過ぎて敵前逃亡。
最弱が最強に勝つにはどうすれば良いのか、トンチを使った戦いが始まる!
面白かった。どんどん立場が変わっていくのがいい。「逃げるが勝ち」を極めた男の生き様かっこよかったです。
弱い侍が強い侍を倒さなければならなくなって、卑怯な倒し方をする話。

改めて書くとすごい話だな。
弱い侍が松田優作で強い侍が丹波哲郎。
松田優作という人の滑稽味がよく出ていて気持ちいい。

まあ追いつめられる丹波哲郎が可哀想で可哀想でちょっと観てられない。
段々松田優作に腹が立ってくる。卑怯だ。
なんかTwitterみたい、丹波哲郎が炎上させられてるの。どんどん生活がままらなくなる。辛くなった丹波哲郎が「正々堂々勝負せえ」と言っても松田優作は勝負しない。
追いつめて追いつめて追いつめた松田優作が丹波哲郎と対峙した時の両者の眼の表情の違いは見物。

結局強いものが弱いものを殺すのも卑怯であれば、知恵があるものが知恵の無いものを倒すのも卑怯なんだ、という気持ちにはなる。
ようはタイミングと立ち位置で、殺す側にも殺される側にも回るんだ、というようなことは再確認させられた。

でも、腕力の無い人間からすると確かにカタルシスはあったなあ。
タマル

タマルの感想・評価

4.0
概要
めちゃ強い侍に、松田優作が「ひとごろしぃ〜 ヒィ〜」と言い続ける映画。松田優作が弱い。

以下、レビュー。


いや〜ラストの切れ味が素晴らしい!!
剣豪だねこりゃ!剣豪映画!

「ただあんたが、私に負けたという証が欲しぃ・・・」

マジカッケェわ。
松田優作がチンピラ臭く演技し始めたときは、さすがにもうダメかと思ったけど、ラストで見事にバッサリいかれました。素晴らしい名画でした。

短いので、お手隙の折はぜひ。
オススメです。
丹波哲郎vs松田優作。
大映京都の古き良きスタッフワークとATG的70年代感。
アンチヒーローものとして、松田優作はまったくもって時代劇の芝居をしていない。

それに比べ、剣豪として、佇まいは完璧の丹波哲郎の存在感たるや。

この組み合わせの楽しさがこの映画の核。
そしてラスト。
対面し合う2人の立ち位置が逆転する。
そのアンチヒーローたる松田優作が、ここでまさしく鳴海昌平よろしく、キメてくる。
これまでの野暮ったさが、ひとつ、狂気に振り切れていく一瞬のための約80分。
色んなアンバランスを楽しむバランスの作品。
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