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「ひとごろし」に投稿された感想・評価

小森

小森の感想・評価

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ひとごろしー!!!
強過ぎて藩を追われた丹波哲郎対最弱のヘタレ武士松田優作!自分が弱過ぎるせいで妹が嫁に行けないと知った松田優作が、妹の為に丹波哲郎の仇討ちを引き受けるんだけど、ビビり過ぎて敵前逃亡。
最弱が最強に勝つにはどうすれば良いのか、トンチを使った戦いが始まる!
面白かった。どんどん立場が変わっていくのがいい。「逃げるが勝ち」を極めた男の生き様かっこよかったです。
弱い侍が強い侍を倒さなければならなくなって、卑怯な倒し方をする話。

改めて書くとすごい話だな。
弱い侍が松田優作で強い侍が丹波哲郎。
松田優作という人の滑稽味がよく出ていて気持ちいい。

まあ追いつめられる丹波哲郎が可哀想で可哀想でちょっと観てられない。
段々松田優作に腹が立ってくる。卑怯だ。
なんかTwitterみたい、丹波哲郎が炎上させられてるの。どんどん生活がままらなくなる。辛くなった丹波哲郎が「正々堂々勝負せえ」と言っても松田優作は勝負しない。
追いつめて追いつめて追いつめた松田優作が丹波哲郎と対峙した時の両者の眼の表情の違いは見物。

結局強いものが弱いものを殺すのも卑怯であれば、知恵があるものが知恵の無いものを倒すのも卑怯なんだ、という気持ちにはなる。
ようはタイミングと立ち位置で、殺す側にも殺される側にも回るんだ、というようなことは再確認させられた。

でも、腕力の無い人間からすると確かにカタルシスはあったなあ。
タマル

タマルの感想・評価

4.0
概要
めちゃ強い侍に、松田優作が「ひとごろしぃ〜 ヒィ〜」と言い続ける映画。松田優作が弱い。

以下、レビュー。


いや〜ラストの切れ味が素晴らしい!!
剣豪だねこりゃ!剣豪映画!

「ただあんたが、私に負けたという証が欲しぃ・・・」

マジカッケェわ。
松田優作がチンピラ臭く演技し始めたときは、さすがにもうダメかと思ったけど、ラストで見事にバッサリいかれました。素晴らしい名画でした。

短いので、お手隙の折はぜひ。
オススメです。
丹波哲郎vs松田優作。
大映京都の古き良きスタッフワークとATG的70年代感。
アンチヒーローものとして、松田優作はまったくもって時代劇の芝居をしていない。

それに比べ、剣豪として、佇まいは完璧の丹波哲郎の存在感たるや。

この組み合わせの楽しさがこの映画の核。
そしてラスト。
対面し合う2人の立ち位置が逆転する。
そのアンチヒーローたる松田優作が、ここでまさしく鳴海昌平よろしく、キメてくる。
これまでの野暮ったさが、ひとつ、狂気に振り切れていく一瞬のための約80分。
色んなアンバランスを楽しむバランスの作品。
タイトルに反してコメディーぽくて古い時代劇をも飽きさせずみせてくれました。
なんといってもあのダーティ松田優作がまさかのヘタレ侍でストーカーちっくに敵を精神的に追い詰めるやり口。
ラストに向けてどんどん人が変わっていくお芝居も見もの。
楽しかったです。
kuu

kuuの感想・評価

3.5
松田優作さんが好や!と言う青年がレビューしていて、観はじめ、優作の独特のコミカルさが楽しめるハマっちまった!よく観てみたら!原作既読してた!優作は「太陽に吠えろ」のジーパン役後かなぁ!初の時代劇主演作品との事で、若くて脂がのってんなぁ。ちょっと「探偵物語」の工藤ちゃんチックな感じが随所に垣間見えて、成田三樹夫バリに「クドーチャン」って、いっちまったかな(嘘やけど)
時代劇やけど、堅苦しさを感じずに観られると思う。 簡単に内容を言うと、モヤシ侍の優作が、剣術の達人である丹波哲郎の首をとる任命を受け、実行するんやけど、あかんなぁ、かなりモヤシ侍やし、どうやって首を頂くのか?って内容。首を頂くまでの卑怯なやり方はナイスかな(笑)
ラストは痺れる!薦めてくれた、19才の青年に感謝
くぅー

くぅーの感想・評価

3.6
松田優作 vs 丹波哲郎の時代劇にこのタイトル…思わず身構えてしまうが、いやいや、まさかのほぼコメディ(笑)
剣では勝ち目の無い臆病侍がどう剣の達人を追い込むのか…この作品のタイトルを連呼し、追い詰める様が面白い。
コミカルな刑事物っぽい音楽が鳴り響き、華麗なる殺陣もなく、約80分でいきなり終わらせるラストは賛否必至かもしれないが…やはりこの怪優コンビの組合せは魅力的なのであった。
初)原作未読。アクが強い(画面映えする)上手い演者サンだなぁ~が松田サンの印象なんですが、今作もラストはカッコ良く松田イズムは相変わらずです…臆病で実は賢い侍役でその臆病ブリも松田サンの演技の振り幅の大きさを感じ、素晴らしさを感じさせる作品。カッコイイだけが優作じゃないね、松田ファンは必見!!
こんな奇妙な時間もたまには・・・大洲斎 「ひとごろし」

主演が松田優作、丹波哲郎、高橋洋子、です。何か異様な感じが漂い、そそられました。
当然、期待します。
脚本の中村努は勝 新太郎「座頭市」で記憶にありますが、監督は大洲 斎。聞いたことない名です。
もしかすると自分が知らないだけのとてつもない才能かも、とやはり期待しました。

結果はとてつもない珍作でした

ベースは何とコント55号の映画だそうです
ALABAMA

ALABAMAの感想・評価

2.9

このレビューはネタバレを含みます

松田優作主演の時代劇。映像京都、徳間書店傘下となった新生大映、そして永田雅一率いる永田プロが提携している。配給は松竹が担当。監督は、本作が唯一の映画作品となる旧・大映京都撮影所出身の大洲斉。
武芸の腕は全くなし、犬にも怯えるほどの臆病者である福井藩士、双子六兵衛は、情けない兄の所為で結婚もできないと嘆く妹の言葉に一念発起し、上意討ちに名乗りをあげる。上意討ちとは、藩命により罪人を討つこと。討つ相手は、福井藩お抱えの剣術指南役であった仁藤昂軒。仁藤は、剣の腕は確かだが、藩内の評判は芳しくなかった。仁藤を快く思わない藩士たちは、彼を闇討ちしようと企むが、敢え無く返り討ちに遭ってしまう。当の仁藤は、藩主の寵臣を切り捨てた上に、勝手に福井藩を飛び出すという行動をとったため、この度の上意討ちが命令された。六兵衛は、福井藩を飛び出し、浪々の旅をする仁藤の跡をつけるものの、すぐに討手であることがばれてしまう。剣の腕もからきしな上に、そもそも斬りかかる度胸のない六兵衛は、その場から逃走。何とか逃げられたが、このままおめおめと帰るわけにもいかない。そこで彼が思いついた策というのが、仁藤のいく先々で「ひとごろし!」と叫び、神経を衰弱させていくという卑怯なものであった。この情けない上意討ちの結末は、ここでは書かない。
映像京都が制作に関わっているとあって、スタッフは大映京都で固められている。監督の大洲は、大映京都の助監督出身。撮影は牧村地志、照明は美間博、美術は西岡善信(企画も担当)とあって技術は一級品。特に照明は、江戸時代の室内における暗部を非常にリアルに浮かび上がらせているという点で、特筆すべきだと思う。ただ、フィルムの感度が悪く、暗部がだいぶ潰れている。70年代の映画としては珍しく、スタンダードサイズで撮られており、おそらくは16mmのテレビ用として使われていたものをそのまま使用したのではないだろうか。その他、セットの杯数やシナリオ、キャストの人数等から察するにこの作品はかなり低予算で作られたものだろう。しかし、予算という制限を逆手にとり、制限を表現に変える術が鮮やかなのが、本作の特徴。例えば、仁藤が闇討ちされるも福井藩士たちを返り討ちにする場面。一面霧に包まれる空間で、立ち回りが展開される。霧(スモークマシン)で、いっぱいにすることによって背景は全く見えなくなるから、ロケに出なくても良いし、セットも建てる必要がない。この作品ではナイトシーンでロケに相当する箇所は、このシーンだけだ(夜の川辺で六兵衛とおようが語り合うシーンもロケーションだが、これは日中にツブシで夜っぽく撮られているだけなので、ナイトロケではないし、星空も合成)。つまり、この作品にナイトロケはひとつもなく、照明機材も少なくて済むし、撮影時間も短くなる。そうして生まれたシーンなのだろうが、霧が立ち込める夜半の斬り合いは非常に印象的なシーンに仕上がっている。意図していたかは別として。制限を表現に変える技術は日本映画の長所と言える。
この作品は、話もおもしろく、役者の芝居も素晴らしいので中々の秀作だとは思うが、残念な点もある。脚本と編集が非常に残念だった。脚本は説明的でシーンの連続の仕方がなんとも不細工だし、編集は間もへったくれもない、実に情緒ない繋ぎっぷりだった。観ていて違和感を覚えるほどに。なぜ、テレビみたいに尺を気にしたような繋ぎ方になっているのだろうか。気になる点はあるものの、それも含めておもしろい作品。ここで書いてあることは、あくまで作品を見た上での推測と感想なので、裏付けはない。
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