takanoひねもすのたり

恐怖の報酬のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

恐怖の報酬(1953年製作の映画)
3.7
トラックでワルツのリズムを取るのは止めましょう😅

ベネズエラの油田で火災が発生し、消火にニトロを使うことに。
高額の報酬につられ、マリオ、ジョーとルイジとビンバがその運搬の仕事を請ける。
少しの振動でも爆発を起こすニトロ、運搬は命懸けとなるデンジャラスなロードムービー。

ディスカバリーチャンネルでむかし、巨大な物をトラックで運搬して競う番組がありまして、ヘアピンカーブとか、車幅ギリギリの山道(片や崖)とかを巧みな運搬術でクリアしてゆくというハラハラドキドキな番組で、毎回楽しみに視聴してました。

なので、この作品も観てる間中はもうドキドキで。なにせトラックはボロいし、ニトロはポリタンクみたいな容器で、固定するのは紐、道が舗装されているのはいち区間で、あとは大体悪路が続く。
狭い山道での切り替えだったり、落石で道が塞がれていたり、油の沼でスタックしたり、次々障害が現れ、落ち着かないことこの上なかった。どの程度の揺れで爆発するのかその線びきも観てる側には分からないんですよね、タイヤが空回りするたびに、うわあああと叫びたくなりました。心臓に悪いです。

でもニトロをストローで吸い出すシーンが一番怖かったよう…😱

約2時間半あり、前半は人物描写が続くので、ちょっと退屈かもしれませんが、トラックが出発してからは俄然物語が動くので飽きずに観れるはず!

最初は威勢のいいジョーが段々怖じけづいてマリオと力関係が逆転してしまい、しょぼくれていくのが可哀想だった。
荷台にただ乗っけただけのニトロですよ!
悪路でトラックは揺れるし慎重になるのも怖じけづくのも分かるよジョー!

あとは何の前触れもなくルイジとビンバ…あと仕方なかったとはいえマリオの仕打ちで大変な目に遭うジョーに、ああ何てあっけないもんなんだな…とドライな描写に少しショックを受けたり。
マリオが「タバコを巻いてくれ」って言って、ジョーの手にある紙巻き煙草の葉が、ふいに吹き飛ぶ。
そして音。
一瞬なんだな…さり気なさ過ぎて何か起こったか理解するの一拍遅れた。

油田火災のシーンは今見ても迫力。
いやでもしかし、タバコくわえて近寄ってはいかんだろうよ、マリオよ。

マリオは性格的に好きになれませんでしたが、イブ・モンタン演じる彼の男臭さはちょっとした魅力です。

汗とホコリと油まみれの男達の勝負。
最初は退屈かもしれませんがトラック出発まで頑張って下さい。そこからはハラハラです。