HI

ザ・ファンのHIのレビュー・感想・評価

ザ・ファン(1996年製作の映画)
2.3
サンフランシスコ・ジャイアンツの熱狂的ファン、ギルは公私ともに上手くいかず、移籍してきた黒人選手ボビーの応援に傾倒していた。やがて彼の常軌を逸した行動はエスカレートし、ボビーとその家族を危機に陥れる。

『タクシードライバー』や『ケープフィアー』と同様、デ・ニーロの「内に秘めた狂気がヤベー奴」を描いたサスペンススリラー。
無敵の人と化した野球好きが起こす惨劇が怖い!「こんな奴いねーよ」と言い切れず「実際にこういう人いるかも…」と思えてしまうデ・ニーロの演技力に脱帽。仕事では顧客に暴言を吐き、別れた妻とその恋人には高圧的、愛する息子に対しても自身の野球論を押し付けたりと当初から問題のある人物であり「いつかやると思ってました」とインタビューで言われそうなタイプ。『フォーリング・ダウン』のマイケル・ダグラスと思ってもらってよろしい。『マイ・インターン』の好々爺と打って変わって振れ幅が恐ろしい。

エスカレートする応援に悩まされるスナイプスを始め、スランプの原因となるチームメイトにデル・トロ、調子のいいエージェントにレグイザモ、デ・ニーロの幼馴染にチャールズ・ハラハンとなかなかの面々。
また、冒頭のラジオ局の技術員にジャック・ブラック(ほんの数秒)、喧嘩するデ・ニーロに怒る観客にM・C・ゲイニーとエキストラ探しも楽しい。デ・ニーロの商談相手の1人がジョン・キャロル・リンチらしいのだが、多分後ろ姿しか映っていない…。

印象に残る映画かというとそうでもなく、トニー・スコット作品にしてはパッとしなかった
HI

HI