Aika

スタア誕生のAikaのレビュー・感想・評価

スタア誕生(1954年製作の映画)
4.7
彼が全てを懸けて残したものは、この私。

「アリー/スター誕生」が楽しみで待ちきれない!ということで、予習がてらまずはジョージ・キューカー監督作から。

一般上映版にカットされたシーンをスチル写真で加えた176分版を鑑賞。

今年のおうち鑑賞暫定一位です。
夢中になりすぎて176分が一瞬に感じた。ため息をついたら通りすぎた、くらいに。

王道のストーリーながら、完全なるジュディ・ガーランドの世界。
制作はジュディの当時の旦那様シドニー・ラフト。今作が彼女の個人的な話であり普遍的な話でもあるのはこの辺りから来てるのかな。

スター同士の恋。
溢れんばかりの才能と幸福から滲み出る不穏な影。

ジュディのミュージカルシーンは、アステアにもジーンケリーにも劣らぬ完璧なるパフォーマンス。
圧倒的な歌唱力に表現力、軽妙なステップに豊かな表情。これぞミュージカルスター!圧巻です。
感動のあまり鳥肌立ち続けて寒くなっちゃった笑
特に彼女の人生の縮図とも言える「Born in a Trunk」は涙なくしては観れません。

そんな華やかなミュージカルシーンに付き纏う不安や憤り。
自らがそんな影となっていく旦那様役のジェームズ・メイソンがまたうまくて、何度も泣かされた。

ジュディを見出したときあまりの彼女の素晴らしさにテンパり、魚やらファイターやらヘンテコな例えをした彼に親近感しかなかったし、実は一度も彼女に対して理不尽なことはしなかったのが私の心を一番揺さぶった。
間違えなくいつだって彼女の一番のファンは彼だった。

Divaの「The show must go on」系ミュージカルが大好物なのもあるけど、これは傑作。

あぁミュージカルって本当に素晴らしい!

今年の残り2ヶ月、この作品だけ繰り返して観て生きていきたい…
そのくらい大満足したけど次に続きます笑

→1976年フランク・ピアソン監督バーブラ・ストライサンド主演「スター誕生」
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