DUMMY

バロンのDUMMYのレビュー・感想・評価

バロン(1989年製作の映画)
3.7
ギリアムにしては純粋なハッピーエンド。
「老人」が「夢」を追うこと・想像することを許されているし、それが多くの人に救いを与えている。

ロスト・イン・ラ・マンチャを先に観ていたので、え?これの何が失敗作なの?というぐらい面白かったんだけども、この映画、製作費が予算の倍以上のオーバーをしている……(笑)
その上アクシデント続きで撮影されたようだから、ロスト・イン・ラ・マンチャを観ていれば、この作品もドン・キホーテと同様に、キャストやスタッフ達は大変だったんだろうな……と同情の眼差しすら向けてしまう(笑)

豪華なセットや特殊メイク(老人が若返ったり元に戻ったりするのが不思議でしょうがなかった)など、最初から最後まで絶対に妥協しないギリアム。
勿論多大な製作費はかかったかもしれないけれども、その世界観はやはり圧倒的な芸術性を誇る。ぐちゃぐちゃのおもちゃ箱に飛び込むような高揚感は、この作品が一番かもしれない。
ギリアムの映画の中でもわかりやすくて楽しくて観やすい映画なので、オススメしやすい。それから繰り返し観ることにあまり体力を使わなくて済むかも(笑)
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