期待したほどではなかったが……まあ……ぼちぼち……
どんなに強く信念を持っていても変わらない人などいないという皮肉が、史実と共に描かれている。ふと自分の人生を振り返らせてくれるものがあった。
とはいえ、3時間の中で淡々とストーリーが進んでいく、いわばボヘミアン・ラプソディ的なテンポ感にはやはり物足りなさを感じたような……感情の変化や何かが変わるきっかけが全てフラットに描かれているが故、緩急がなく盛り上がりに欠ける。うーん私がこういう史実モノが得意じゃないだけかもしれないけど、どうせフィクションならもう少し長くして、パトリツィアの最初の変化についてもう少し描写して欲しかった……でも長いなと思わなかったから、これぐらいがちょうどいいのかも……
逆にこうしてさっぱり描かれている良い点を挙げるとするならば、この映画がどの登場人物の
味方でも無かったということ。
王様のブランチでLiLiCoが「男性史上主義社会の中で強かに生きた女性・パトリツィアの生涯」みたいな切り口で紹介していたような気がするんだけど(間違ってたら教えて欲しい)、そういう風に切り取ることもできるし(PR的には都合が良さそう)、別の見方をすることもできる。観客にかなり解釈の余地を与えているという点では、フィクションとはいえ史実に沿っているからこそ生まれた「映画作品としての良さ」が全面に出ていると思う。
あと、当時の時代感があまり感じられなくて、ところどころ今の風景っぽさが拭えず、なんか、なんでなんだろ……なんかカウンタックとか浮いてたような……
あぁ、あの素朴な幸せの時間が永遠に続けばよかったのにね……