フォスフォ

WILD LIFEのフォスフォのレビュー・感想・評価

WILD LIFE(1997年製作の映画)
4.2
スリラーものかとおもったら偽キムタクみたいなのが八面六臂に活躍する痛快活劇だった。筋じたいは地味だけど撮り方がめちゃくちゃスゴくてびっくり。武映画ほどソリッドではない、身体の重さを感じさせる鈍い暴力描写。レイアウト色々考えて会話のシーンの単調さを予防するかとおもったら、トイレでのはじめてのヤクザとの対峙シーンでは緊張感を煽るようにすぱすぱ機械的に切り返す会話(ここの鏡の使い方スゴい)。ヤクザ一行との追いかけっこでの手持ちカメラでの疾走長回しと、上の道路に手下がでてきていきなり上下が生まれたとおもったら、その奥にカメラが引いて実は豊原功補はここに隠れてましたみたいな三次元の構成。なめらかにスイーッと動くカメラの軌道がとても心地いい。全篇にわたって車の撮り方がエロくて惚れ惚れしてしまった。こんな三文小説みたいな脚本でここまでの映像見せてくれると逆に引いてしまう感がある。投げた缶目線の主観ショットとか一体どうやって撮ったんだ??
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