フォスフォさんの映画レビュー・感想・評価

フォスフォ

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アメリカの友人(1977年製作の映画)

4.3

最初に絵画の贋作の青が微妙に違うというシーンがあるけどそれがすべてだとおもう。マフィアの溜まり場とかビリヤード、リプリーがでてくる場面のセットは徹底的に寒色。もしくはくすんだ茶系。ヨナタンもそっち系の>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.4

光と影と炎がすばらC 頻出するマッチ→列車の炉→焚き火→暗がりでの銃撃の閃光の連関がお姉さんとスペイン内線?かなんかででていった男とのゆいいつの紐帯の手紙を燃やす炎につながる。オレンジの光のなかの蜜蜂>>続きを読む

デッドプール&ウルヴァリン(2024年製作の映画)

3.6

面白いといえばおもろい…んだけど、ローガンとデップーがほぼ罵り合いしかしてないのになんとなく終盤仲良くなってるのはバディものとしてはいかんのでは。虚無のなかに使い捨てにされたキャラクターたち(おもに配>>続きを読む

蛇の道(1998年製作の映画)

4.2

監禁場所の工場、ゴルフ場の草原、街中での俯瞰ショット、最後の銃撃戦での廃屋、どれも低体温でロングショットが効いていてよかった。名前がなくなり、追うものが追われるものに…というのでなんとなく安部公房みを>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.2

逆ゆるキャン△。林とか森の向こう側に光源があってそれがチラチラ溢れてくるのが印象的。石橋英子のサントラをちょんぎりつつパンするのが何回かリフレインされるけど、さいごのそれで霧の草原にでたとき悪もなく、>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

さすがに三幕構成の時系列シャッフルはごちゃつくし(整理のための泣く泣くのモノクロ採用も効いてないように思う)、カットははやいしでショットみたような観点から批判されるのもわかる…が、正直これでいいのかも>>続きを読む

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

3.7

走る/歩くシーンが多めで、その挙措の合間にあいまにひとりの少年の眼(クソガキなんだけど悪辣というよりも口を結んでじっと前方を見るドワネルのピュアな表情!)をとおして風景がぬるぬる立ち上がって、通過して>>続きを読む

ニンゲン合格(1999年製作の映画)

3.8

めちゃ若い西島秀俊がマジで中学生みたいなファッションではしゃぐのがよい。再会した中学の同期の家の屋上からみえる、街中のガスホルダー→父親が祈祷してる新興宗教のなぞの丸い物体→電球などやたら丸がでてくる>>続きを読む

戦争のはらわた(1977年製作の映画)

4.1

発ペキンパーおもろかった。タランティーノの『ジャンゴ』でレオさまが撃たれて、建物の木材が散るなかで執事役のサミュエル・L・ジャクソンが泣いてるシーンのスローモーションはこの監督が元だったのね。塹壕とか>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

4.0

前半で満島ひかりと西島隆弘が出会うまでの「奇跡」、しかもそれが超高速のカット割りとクロスカッティングに併せてのボレロ、ゆら帝を爆音で鳴らしながら進んでいくとこまではマジで面白い。単純な同時進行とかじゃ>>続きを読む

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [後編] 僕は君を愛してる(2022年製作の映画)

3.8

TVシリーズの補完としてはいいように思った。いまみると当時考えが及ばなかったことも色々わかりやすくなっている。基本的に自己犠牲のはなしで、コスト=罰を誰が引き受けるかというようにみえて、実は違うという>>続きを読む

劇場版 RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編] 君の列車は生存戦略(2022年製作の映画)

3.7

TV版のリミックスという感じで、新規映像がときおり挿入されるもののきほんてきな内容の違いはない。実写の荻窪の風景にキャラをのせるリアプロジェクションに併せてやくしまるえつこの新曲がながれてきたところは>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

初期作より主演アベック周りの人間関係がやさしくなっててよかった。暖色寒色のレイアウトががちっとしてて、照明つけたり消したり、適宜エスタブリッシング・ショット挟んでこころの機微をあらわす。ロングショット>>続きを読む

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

4.0

劇場スクリーンいっぱいに日の丸を掲げられるとさすがに迫力あるし色々勘ぐりたくなっちゃうな

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.8

大学の講義でみたやつ。あくまで死ぬのはジャック・ニコルソンで、脱出するのはネイティブアメリカンの末裔みたいなロン毛なのがすごくニューシネマ

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.5

ドーナツがマジで旨そう。初っぱなの数カットにこれから起こるできごとのすべての要素が詰め込まれてる。二人ならんだ死体はさいごの二人に重なるし、そのあとの川を跨ぐ船は、物事の発端の牛がやってくる小舟、中国>>続きを読む

現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.0

よくよく考えたら九割くらい部屋の出入りとダイアログではなしつくってるのすごいね。銃撃戦もすぐおわるし、切り返した途端人が倒れてるみたいなのもザラにあってこの非情な感じ。やっぱり終盤まで画面に映らない大>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

4.4

いや~めちゃくちゃいい。いままでみた黒沢清で一番好きかもしれない(そもそもあんまり観てないが)。序盤の浅野忠信とオダギリジョーがいっしょに映ってるときのはやいカット割りとぶらつくカメラからすでに虜に。>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.9

変にあざとくせず、市井のしょうもなさとささやかな喜びを撮る矜持。街→山奥→街の順でおっさん二人と犬が小休止するだけなんだけど、都会に近づくにつれてラジオからは政治が流れ、婚約者からはイタ電が入ってくる>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.4

ちょうど水木とおなじ煙草を飲んでて嬉しい。シネスコでの横長の画面をふんだんにつかったレイアウト(寝起きする水木の後ろに広がる青白い障子、一族郎党集結の座敷の奥深さ、田舎の村の横に長い畦道)、と、村のい>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.6

普通になりたい、という気持ちはわからなくもない…

祇園の姉妹(1936年製作の映画)

3.8

ラスト悲しすぎ泣。カメラがぐーんとパンして街中とか和室行き来したり、建物の庇とかつかって手前と奥で動きを見せてくれるのおもしろい。そしてその奥にいるのはやはり女で、芸妓として男を引き込んだり遊郭で遊ん>>続きを読む

チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

3.6

序盤からひっきりなしに車で移動→車のドアを開閉→歩いて建物の出入り口へ、というのが繰り返されていて、カサヴェテスって人の出入りをぶれたカメラで追いながらドラマ作ってく監督だなあと体感。この極めつけはギ>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.7

広角の風景のなかを役所広司とか松坂桃李とかがずんずん進んでいく長回しのトラッキングが嬉しい。けど脚本の達者な辻褄合わせで、巧いことドラマに収まっちゃうのが肝の熱暴走を抑えちゃってる気もする。見どころの>>続きを読む

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.8

ニューシネマライズドされたフィリップ・マーロウ。荒ぶるカメラ、なぜか脇役にいるシュワちゃん、ネオンサインが光る真っ暗な画面、ひっきりなしにジャズが鳴り響き、ふいのオーバーラップとなぞのズームアップ&バ>>続きを読む

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

4.0

何の縁かちょうどハロウィンから一夜開けた日に見た。二時間ずっとテキサスの土臭い草っぱらを撮っているがぜんぜん飽きないし、心地よくすらある。ガジェットの使い方が面白くて、ロードムービーっぽい構成で道中の>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

4.0

ぴょんぴょんぬいぐるみ兎からの階段を降りていくとこ以降がかなりよかった。正直ちょっと長いし序盤は間延び感あったが、葬式から急にフラッシュバックバシバシ多用していくのでおわってみるとあんまり徒労感はない>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.3

カットすぱすぱ切り替わって、インサート、それをモノローグでつなぎながら、その間を宙に浮いた拳銃がすべっていく。ここぞという場面で手元にないか横槍入るわりに、わりとどうでもいいとこではポンポン発射される>>続きを読む

映画プリキュアオールスターズF(2023年製作の映画)

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女の子に連れられて観た。完全に初見だったので迂闊に点数はつけないでおくことにしますプカ

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.7

衣装と部屋のレイアウトが凝ってて、飽きないではある。室内で何組かのカップルがずっと喧嘩してて(フェイシズとかに似てる)、タクシーとかエレベーターみたいな外にあるけど個室みたいなガジェット使ってその恋愛>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.0

なんかずっと四角?から話が始まってて、よかった。テレビ、写真、ドア、カメラのフレーム…画角のなかに黒人メイドが闖入してきて、それは、2階の窓の枠に佇んでる黒人メイドとかにも共通。少し空いたドアの向こう>>続きを読む