囚人13号

WILD LIFEの囚人13号のレビュー・感想・評価

WILD LIFE(1997年製作の映画)
3.8
Vシネマ臭い質感をサブスクで観るという環境含め良い体験ができました。暴力に不感症になっている男のハードボイルドを装いつつ、即興的な物語は全て撮りたいショットへの口実に過ぎないという尖り具合が好きなんだ。

パチ屋における会話で「帰ったら」の一言が『お茶漬けの味』の剽窃となったり、マーロウのようにマクガフィンが胸像の中へ隠されていたりしているが、監督の好きな自動車内という空間が三層に重なる口論シーン/VHS映像のワンカットなど事象の見せ方自体が卓越しているので作劇やジャンル云々がどうあれ、とりあえず眼球が映画を面白いと触知してしまう。

青山真治は基本的に日光と時間にルーズな作家だが、ここでの豊原功補は珍しく神経質なビジネスマン的タイムテーブル人間で面白い
囚人13号

囚人13号